ITmedia NEWS > 企業・業界動向 >

ザッカーバーグがメタバースに全集中する背景を考えるMetaさん(1/3 ページ)

» 2021年11月01日 16時17分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 いつもは「Googleさん」でGoogleの話をしていますが、今日はその番外編「Metaさん」です。Googleと同じくらいFacebookの関連記事も書いてきたので、FacebookからMetaに社名変更したことについて、少し触れておきたいなと思いまして。

 社名変更、10月25日の業績発表では触れず、「メタバース」構想を紹介するオンラインイベントの最後にマーク・ザッカーバーグCEOが「one more thing」として発表しました。経営的な目的ではなくて、それまで1時間以上かけて紹介した「新しい素晴らしき世界」に全力投球する姿勢を表すための社名変更なんです、という感じです。

 zuck

 Facebookが公の場で「メタバース」という言葉を使うようになったのはこの7月からですが、「VR/ARが次のプラットフォームになる」というのはザッカーバーグ氏が2016年のF8から言い続けてきたことです。

 roadmap 2016年のF8で掲げたロードマップ

 CNBCによると、2018年にはFacebook傘下のOculusの偉い人、ジェイソン・ルービン氏が「The Metaverse」というタイトルのメールで取締役のマーク・アンドリーセン氏にメタバース構想の論文を送ったそうです。そのころから社内ではVR/ARプラットフォームをメタバースと呼んでいたのかもしれません。

 ただし、その論文の構想では、どこよりも先に大きなメタバースを構築してウォールドガーデン(競合が入れない独占的な環境)にしようということになっていました。でも、ビッグテックに対する規制当局の目が厳しくなったので、「小さな企業もそこで収益を上げられる開かれた世界」(ザッカーバーグ氏による説明)にすることになったようです。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.