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Facebook決算、「Appleの影響で」予想を下回る売上高 リーク文書による批判記事は「虚偽を描いている」とCEO

» 2021年10月26日 10時04分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 米Facebookが10月25日(現地時間)に発表した第3四半期(7〜9月)の決算は、売上高は前年同期比33%増の290億1000万ドル、純利益は17%増の91億9400万ドル(1株当たり3ドル22セント)だった。営業利益率は前年同期比1ポイント減、前期比7ポイント減の36%。

 売上高はアナリスト予測の295億7000万ドルを下回った。1株当たり純利益は予測の3ドル19セントを上回った。マーク・ザッカーバーグCEOは業績発表後の電話会見の冒頭で「同四半期の逆風は、主に米AppleによるiOSの変更の悪影響だ」と語った。

 Appleは4月にリリースした「iOS 14.5」で「AppTrackingTransparency」(ATT)機能を追加した。広告分析企業Flurry Analyticsによると、ユーザーの88%はこの機能でアプリのトラッキングを無効にしているという。

 Facebookは第4四半期も引き続きATTの影響を受けると予測しているが、今後数年をかけて少ないデータでもターゲティングが可能になるシステムを再構築していくとしている。

 fb1 売上高推移

 営業利益率が下がった主な要因はメタバース関連の投資の影響だ。

 サービスとしてのFacebookのMAU(月間アクティブユーザー数)は6%増の29億1000万人。DAU(日間アクティブユーザー数)も6%増の19万3000万人だった。

 fb2 FacebookのMAU推移

 ザッカーバーグ氏はメタバース収益化は長期計画で実現していくと語った。収益が上がるようになるのは早くとも3年後になるとみている。それに伴い、第4四半期から業績報告のセグメントとして、メタバースを担うFacebook Reality Labs(FRL)を分割する。収益と営業利益の報告は、Facebook、Instagram、Messenger、WharsAppその他のサービスのセグメント「Family of Apps」とFRLとに分けて行う。

 ザッカーバーグ氏は内部告発者による糾弾とそれに続く多数のメディアが結束してリークされた社内文書に基づく記事を量産する「The Facebook Papers」の動きについて電話会見の冒頭で「リークされた文書を選択的に使ってFacebookについての虚偽の姿を描くための協調的な取り組み」と批判した。同氏は、メディアが指摘するような問題については多額を投資して調査、研究して解決策を探っているが「ソーシャルメディアはこうした問題を自身で修正することはできない」ので「繰り返し当局による規制を求めてきた」と語った。同社は一貫してこうした見解を述べ続けている。

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