オートパイロットは、カーブや周囲の状況を判断し自動でハンドルを切り、速度も調整してくれます。渋滞の中では、自動でストップ&ゴーを行ってくれるのでストレスフリーです。とにかく優秀でこの調子でいけば自動運転の実現も間近かと思わせてくれます。
ただし、それが甘い考えであることを思い知らされる場面もあります。例えば、運転中とくに問題ないにもかかわらず、突然強めのブレーキがかかる場合があります。Teslaコミュニティーでは、クルマが幽霊を認識したという意味で「ファントムブレーキ」として有名です。筆者は3回経験しました。危機感はありませんでしたがドキッとします。
高速道路の合流でも自動の限界を感じます。ジャンクションにおいて左側から他車の合流がある場面では、人間であれば合流しやすいよう間合いを測りながら手前から速度を落とすなど、合流車に配慮すると思います。
合流車の側からすれば、速度を落としてくれたことが分かるので、それが一種のサインとなって安心して合流できます。いうなれば、阿吽(あうん)の呼吸がそこにあります。しかし、オートパイロットは、合流の直前まで速度を維持したままです。相手は入れてくれるのか、くれないの分からず困惑するでしょう。
次の動画は、第三京浜道路の港北ICの合流です。左から合流してくるにもかかわらず速度を維持したままなので筆者はブレーキを踏みオートパイロットを解除し速度を落としました。元来、運転支援なので、そんなものだと言われればその通りなのですが、オートパイロットが優秀であるだけに過剰に期待してしまいます。将来の自動運転ではこのようなケースにも上手に対処してくれるのでしょうか?
ダン・ブラウン氏のベストセラー小説「オリジン」では、Tesla Model Xによる自動運転のシーンが描かれています。主人公のロバート・ラングドン教授とヒロインを乗せたTeslaが群衆の中を自律走行します。最新のテクノロジーを物語の小道具として使うところはダン・ブラウン氏の真骨頂ですが、現実の世界はまだまだ小説には追い付きません。
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