米国では「Full Self-Driving beta」と呼ばれる、オートパイロットよりさらに高度な運転支援サービスが一部の優良ドライバーに向けに無線アップデートでリリースされています。これは、道路状況、他車、歩行者、信号・標識を認識してナビの経路通りに、半自動でドライブしてくれる機能です。Full Self Driving(完全自動運転)と命名されてはいますが自動運転ではなく、あくまでもドライバーの監視義務の下での高度な運転支援という位置付けです。
YouTubeで「Full Self Driving」で検索するとユーザーが投稿した動画がたくさんあります。これらの動画を見ていると、自動運転の未来をかいまみせてくれるものもあれば、街中ではドライバーが慌ててハンドルを修正するなど、ちょっとばかり危なっかしいなあと感じるものもあり、あらゆる交通事情や周囲の状況に完全な形で対応するのにはもう少し時間がかかりそうです。
米国でこの機能を利用するためには、「Full Self-Driving Capability」という1万ドル(約110万円)のオプションを購入しなければなりません。日本でも「フルセルフドライビングケイパビリティ」という81万7000円のオプションが存在するのですが、米国のそれと比較すると似て非なるもので、かなりの機能が制限されており、「オートレーンチェンジ」や「オートパーキング」といったごく一部機能のしか提供されていません。現状の日本のルールに合わせているのでしょう。
米国ではFull Self-Driving Capabilityを月額99〜199ドルのサブスクリプションで購入することも可能です。無線アップデートで自宅に居ながらにして機能を追加できる強みがこのようなサブスク型のサービスを可能にしているともいえます。前述のように日本のフルセルフドライビングケイパビリティは、機能的には満足できるものではありませんが、仮に日本でもサブスクが開始されれば、月額約2万2000円程度なら「お試し」的に導入してみるのもアリだと考えています。
これは筆者の勝手な願望ですが、無線アップデートで自動運転機能が追加できるのであれば、将来はサブスクの課金バリエーションをさらに増やし「6時間の限定利用で○○○円」「1000kmで○○○円」などの料金体系も可能になるかもしれません。そうしたら、旅行からの帰り道「疲れたので復路の分だけ自動運転をサブスクで購入」といった柔軟な運用が可能になります。日本でも早く自動運転機能が使えるようTeslaには頑張ってもらいたいものです。
山崎潤一郎
音楽制作業の傍らライターとしても活動。クラシックジャンルを中心に、多数のアルバム制作に携わる。Pure Sound Dogレコード主宰。ライターとしては、講談社、KADOKAWA、ソフトバンククリエイティブなどから多数の著書を上梓している。また、鍵盤楽器アプリ「Super Manetron」「Pocket Organ C3B3」「Alina String Ensemble」などの開発者。音楽趣味はプログレ。Twitter ID: @yamasakiTesla
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