2016年10月以降に製造された全てのTesla車は、自動運転に必要なデバイスを既に装備し、一般ユーザーが普通に運転しているときでも車載コンピュータで常に自動運転の演算処理を行っています。
仮に、運転中の危機回避行動で、コンピュータが左にハンドルを切るという判断をしたにもかかわらず、ドライバーが右にハンドルを切り、それにより危機が無事回避された場合、シミュレーションとドライバーの行動との間に齟齬(そご)が生じます。この結果はデータセンターに送信され機械学習に利用されます。
前後左右8個の車載カメラやセンサー類が捉えた現実世界の事象と車載コンピュータの演算結果が、自動運転のための機械学習に役立てられる仕組みです。世界中のTeslaユーザーが日々機械学習用のデータを提供するユーザー・イン・ザ・ループ(人間参加型の学習)に組み込まれ自動運転の開発に協力していることになります。
イーロン・マスク氏は、以前からTwitterで「Teslaは、膨大な量の映像データを処理するために“Dojo”(「道場」のことか?)というニューラルネットワーク学習用コンピュータを開発している」と度々ツイートし、2021年8月にDojoの頭脳にあたる「D1チップ」を公開しました。膨大なコンピュータパワーを投入して車載カメラから送信されるあらゆる運転中の事象を学習し自動運転に役立てるわけです。
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