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「5分で700万アクセス」に耐えるインフラをクラウドで構築 サイボウズ、Webサイトの基盤にAWS採用

» 2022年01月28日 07時00分 公開
[ITmedia]

 サイボウズが、コーポレートサイトなどの運用基盤をオンプレミスサーバからAWSに移行した。従来の運用体制ではサイト更新作業に時間がかかっていたことから、2018年7月に作業を開始。21年12月末までに合計42ドメインを移行した。AWS導入後、テレビで同社を紹介する番組が流れ、5分で約700万件のアクセスが発生したときも、サーバダウンすることなく耐えきれたという。移行を支援したクラスメソッドが1月27日に発表した。

 移行したのはコーポレートサイトやブログ、オウンドメディア「サイボウズ式」など。サイボウズではもともと「HP更新チーム」という専任チームが、これらのサイトにコンテンツをアップロードしていた。

photo サイボウズのオウンドメディア「サイボウズ式」

 だが、コンテンツを即時公開したいときは情報システム部門などに依頼する必要があり、スピード感のある情報公開ができていなかった。さらに、サーバ自体のメンテナンスも情シス部門などが受け持っており、これらのチームから「本来の業務に集中したい」などの声が出ていたことから、AWSへの移行を決めたという。

 サイト運用基盤の刷新に当たってはクラスメソッドと協力。規模の小さいサイトから順に、数ドメインずつ段階的にクラウド化していった。

photo システム構成のイメージ

 AWS移行後もWebサイトは安定稼働しているという。20年5月にNHKの番組「ニュースウォッチ9」でサイボウズが紹介され、Webサイトに5分で約700万件のアクセスがあったときや、同年7月に民放の番組に社員が出演し、1時間で約200万件のアクセスがあったときも、サーバをダウンさせることなく対応できたとしている。

 サイボウズは今後、AWS東京リージョンのトラブル時もWebサイトを閲覧できるよう、耐障害性を高める計画だ。エラーを検知した際に自動でシンガポールリージョンに切り替える仕組みを構築しており、22年3月末までに完成させる予定。

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