Jさん これまでの日本の取り組みとAppleのTap to Payと、大きな違いはないと思います。一番の違いは日本ではAndroid端末で実験が行われていましたが、今回のはiPhoneを使うという点です。
2点ポイントがあります。1つは端末上のアンテナの配置場所と出力の問題、もう1つはiPhoneに同様の機能を持たせるという点です。
後者については、もともとAppleはiPhoneのNFC機能を開放していないため、誰も利用できなかったのです。それが、今回はSDK含めて初めて解禁されたと。
マツ なるほど。これまではやろうとしてもできなかったと。
Jさん はい。AppleにNFC開放を求める声はずっとありましたが、その一部が開放されたという感じですね。トップバッターとしてStripeが対応を表明しています。
マツ StripeはさっそくTap to Pay開発キットのクローズドベータプログラムの申し込み受付を開始していますね。
ヤマー Tap to Payは、Apple Payと同じように、Appleが決済サービス自身を提供するというよりは、仕組みを決済事業者に開放するってことですよね。そして、その第1弾がStripeと。
Jさん ただ、この機能を利用するにはAppleのBusiness Account登録が必要なんですよね。完全にフリーというわけではない気もします。
マツ どのくらいマージンを取られるかはまだ分からないけど、無料ではなさそうだと。
Jさん もともとカード決済手数料が抜かれていますが、おそらくApple Pay同様に0.x%とかの割合で徴収されるのではないかと推察します。
マツ 手数料が低いことで人気があるStripeなので、組み合わせとしては良さげですね。Stripeのサイト、いつの間にか日本語化されていて驚きました。今は米国だけですが、日本でも対応してくれるといいなあと。
Jさん Stripe Documentが多言語対応しているのは日本語のみです。他国は英語のドキュメントしかないのですが、日本語版だけローカライズされています。Stripeは簡単に決済機能を組み込み、周辺のアドオン的なもので機能拡充が可能なので、やる気のあるデベロッパーならいろいろできそうです。
ヤマー Stripe日本法人ありますしね。
Jさん そして先ほどの1つのポイント。アンテナと出力の話です
マツ はい。
Jさん スマホをSuicaリーダーにできないって話もこの出力がらみでした。iPhoneは先端にアンテナがあり、最近のモデルは出力の問題もカバーされて、決済処理端末として読み取りにはあまり問題がないのですが、ご存じのようにAndroid端末はアンテナの配置がまちまちで、そもそもカードリーダーを想定した設計になっていません。
ヤマー ですよねぇ。
Jさん このため、端末を使って支払いをする際、アンテナ同士をぴたりと合わせる必要があり、かなり使いにくいのです。
マツ われわれも、マイナンバーカードをワクチン接種証明の認証に使った時に苦労した話をしていました。
Jさん かつて、Android端末同士でNFCでデータを送受信するAndroid Beamがありましたが、あれと同じことをする必要があります。
ヤマー 懐かしいワードがw
Jさん あれ、通信ができるまでアンテナ同士をぴったり合わせて持ち続ける必要あったじゃないですか、それと似たようなことをする必要が出てくると。
マツ ああ、なるほど。POKENみたいなことをしなければならないと。
Jさん そうです。また、アンテナの出力を上げすぎると余計な信号まで拾ってしまい、例えばスキミングのような危険性も出てきます。満員電車で電子マネーを吸い出したり。
ヤマー そこは危惧する声も結構みますね。
マツ 記事に対するコメントを見ても、セキュリティを心配する声はかなり上がっていました。
Jさん 実験はしているものの、なかなか実用的ではなかったというのが実情です。
ヤマー 今回サービス提供を発表したということは、なにかブレイクスルーがあったんでしょうか?
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