ヤマー それ以外の共通点とは?
マツ 歌声合成にしろ、音声合成にしろ、従来はWindows先行で、Mac版はほとんどなかったんです。
ヤマー 今回、会社は違いますが確かにどちらもMac版がありますね。
マツ 商用ソフトでMac版があるのはずいぶん長い間VOCALOIDくらいで、それにしても相当長く待ち望んでやっと出てきたもの。2007年に初音ミクが登場しましたが、VOCALOIDがMacで使えるようになったのはその6年後の2013年です。
その同じ年、2013年にはCeVIOの最初のバージョンが出たのですが、これはWindows版のみ。僕はiMacとBoot Campで使っていました。
歌声合成では2020年に「Synthesizer V」が出て、これにはMac版もありましたが、「Macで歌声合成」は長い間、選択肢がほとんどない状態だったわけです。
これが音声合成となるとさらに少なくて、多彩なバリエーションを持つ商業製品としては皆無といってよかった。フリーウェアでは、CeVIOを開発した名古屋工業大学の方々が開発したOpen JTalkを使った「SHABERU」があり、僕の声を音声合成の音源にしたりしているんですが(笑)
2018年からは、自分の声だったら、iPhoneで手軽に作って自分で使うこともできるようになりました。
それで、VOICEPEAKのMac版が出るって言ったときに思わず声を上げたくらい。そしたらその翌日、CeVIOの進化版であるCeVIO ProもMac版が出るという。CeVIOが最初出たときに、Mac版作ってくださいとお願いしてから9年か……。
CeVIO Proのデフォルトボイスライブラリとデモソングも出ました。「知声」(Chis-A)というキャラクターです。これが無料で商用制限ほぼなしなんですよ!(サンプリングして販売とかはダメ)
ヤマー (めっちゃ語るな……) これ、なぜ今までMac版がなかったんですか?
マツ 単純にリソースの問題かと思います。
ヤマー 開発リソースってことですかね? スタッフ不足と。
マツ そうですね。まあMacユーザーの比率が少なかったというのもありますが。
ヤマー ソフトウェアあるあるですね。
マツ 今回Macに対応した背景として考えられるのは、VOICEPEAKをAHSと共同開発しているDreamtonicsは「Synthesizer V」という歌声合成ソフトを作っていて、これにはMac版もあるから、開発できる基盤があったとはいえるでしょうね。
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