ホールでの録音をデジタルツインによる空間オーディオでシミュレートしてみた(作例付き)(1/6 ページ)
前回の「時と場所を選ばない空間オーディオ制作は可能か? M1 MacとLogic ProでDolby Atmos作品を作ってみた」という記事では、バージョン10.7へのアップデートでDolby Atmosに対応したLogic Proを使ったヘッドフォン環境でのDolby Atmosのミックスについて解説した。
ヘッドフォン環境での制作に焦点を絞ったのは、多くのLogic Pro使いのクリエーターに空間オーディオのコンテンツに触れてもらいたいという想いからだ。前回も述べたが、筆者の仕事場にはサラウンドスピーカーの再生環境はない。インディ系のアーティストでサラウンドに対応したスピーカー配置を実現している人は少ないのではないか。専用スタジオを借りたくてもインディでは予算オーバーで手が出ない。
逆にいうと、そのようなゴージャスな再生環境がなくても、ヘッドフォンさえあれば空間オーディオコンテンツを制作可能なのがDolby Atmosの魅力なので、その優位性を最大限生かしてやろうという話である。いうなれば「プアマンズDolby Atmos」というわけだ。
前回の記事で言及するのを忘れていたのだが、M1チップを搭載したMacBook Pro 2021は、96KHz/24bitのDACとハイインピーダンスに対応したヘッドフォン端子を搭載しているので、ミックスやマスタリング作業という点に限れば、別途オーディオインタフェースを用意しなくても、MacBook Proとヘッドフォンがあれば、ノマドワーカー状態で高品質なDolby Atmosのミックスが可能だ。
実際、筆者はDolby Atmosで作業を行う際は、beyerdynamic DT880というインピーダンス値600オームのモデルをMacBook Proのヘッドフォン端子に接続するだけで実施しており、オーディオインタフェースは利用していない。 DT880は、穏やかで優しい世界感の音色が気に入っている。値段も手頃なので、まさにインディアーティスト向けだ。
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