上の図は、Pianoteq 7 PROの仮想マイクセッティング画面の1つでMid/Sideのステレオマイクを設定したところ。
ピアノから2メートル程度離れた位置の高さ約3メートルのところに「Mid+ Side=カーディオイド」と「Mid−Side=双指向」をそれぞれ1本づつ仮想的に設置し、Mid−Sideチャンネルの信号は位相を反転させている。このように、マイクセッティング図にしたがって、他も含め6つのステレオペアによる仮想マイクを設置し、各トラックの音源をWAV形式の48KHz/24bitで個別に書き出した。
書き出した6つのステレオ音源をLogic Proの各トラックに割り当てた。近接マイクと真上のハイトマイクは、オブジェクトトラックに、それ以外のホール残響を収録したマイクは、ベッドトラックとして設定した。オブジェクトとベッドは、それぞれVCAトラックにまとめて一括でバランス取りが可能なようにした。
上の図は下手側(演奏者の背中)に設定したベッドトラックのマイク音源のSurround Panner設定。前方、側面、ハイトの各スピーカーはオフに設定し、背後の2つのスピーカーだけから音を出している。他の仮想マイクについても同様に、それぞれマイクの設置位置に合致した方向のスピーカーから音を出すように設定した。
Logic ProでDolby Atmosのプロジェクトを作成すると、マスタートラックにDolby Atmosのレンダリングプラグインが自動的に挿入される。今回、ラウドネス値を規定の-18LUFS以下に設定したかったので、コンプレッサープラグインをマスタートラックに挿入して最終レベルの調整を実施した。
Dolby Atmosのミックスでマスタートラックにプラグインを挿入する場合、次のことに注意しなければならない。
基本的に音に変化を付けるプラグインは、Dolby Atmosプラグインの前段に挿入する。ただ、プラグイン効果が適用されるのは、ベッドトラックのみで、オブジェクトトラックには適用されない。今回は、Neutron 3のコンプレッサーを挿入した。
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