科学技術振興機構(JST)は3月11日、未発表のプレプリント(査読前論文)を無料公開するWebサイト「Jxiv」(ジェイカイブ)の運用を24日に始めると発表した。自然科学や人文学・社会科学、学際融合領域全ての研究分野に関連するプレプリントを、日本語か英語で投稿・公開できるという。費用は無料。
投稿したプレプリントには、論文などのコンテンツに与えられる国際的識別子「DOI」を付与。再利用しやすいようライセンス条件が付き、オープンアクセスのコンテンツとして公開される。投稿は国内外問わず可能だが、JSTが運営する研究者情報データベース「research map」に登録があるか、研究者識別用の識別子「ORCID」のIDを持つ研究者のみ投稿できる。
専門家の査読はなく、JSTが審査し、数日以内に公開するという。公開したプレプリントは学術誌で査読を受け、受理されるまで改版が可能。学術誌での公開後も、プレプリントはJxiv上でオープンアクセスで公開され続ける。
Jxivの開設の理由を同機構は「論文が学術誌で公開されるまで、査読や校正に時間が必要なため長いと数年かかることもある」と説明。そのため、学術誌への投稿前などに、プレプリントを公開するケースが急増しているが、日本で本格的なプレプリントサーバは存在しないため、日本からの公開は現状では少ないという。
Jxivの開設により、学術誌の査読前に研究成果の公表が可能になる。これにより、研究コミュニティーからのフィードバックのサイクルが早まり、プレプリントを公開した研究者自身の研究が加速するだけでなく、研究コミュニティー全体の活性化も期待できるとしている。
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