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楽しいパリピライブからトラウマレベルの9.11体験まで 映画祭&音楽フェス「SXSW 2022」に見るVRコンテンツの最新系(1/3 ページ)

» 2022年03月30日 18時00分 公開
[武者良太ITmedia]

 超高解像な映像表現が可能なPlayStation 5やXbox Series S/X、ポケモンをはじめとした人気ゲームが多数揃っているSwitchは現在もまだ入手難。いまだ続いているステイホームな風潮に、自宅でスマートフォンゲームを超える体験が楽しめる据え置きゲーム機の人気が高止まりしていることを実感します。

 加えて、VRヘッドセットのMeta Quest 2も品切れとなるショップが増えてきました。本体のゴーグルを被ることでコンテンツしか見えなくなり、しかも上下左右前後の全天球スクリーンの中央にいる、いや3D CGのコンテンツの世界に身体ごとログインしたように感じられる独自のゲーミングデバイス。

 VRという環境で超絶進化を果たしたノベルゲームの『ALTDEUS: Beyond Chronos』、全周囲視界にリメイクされ恐怖感がアップした『バイオハザード4』、低解像度ではありますがソードアート・オンラインの世界が間近に迫ってきたことが理解できるMMORPG『Zenith: The Last City』など、VRならではの圧倒的な没入感を生かしたタイトルもあり、平面ディスプレイというくびきから解き放たれた最新エンタメを楽しめるQuest 2の人気も高まってきたのですね。

 世界的に見てもQuest 2をはじめとしたVRヘッドセットに注目が集まっています。それはひとえにコンテンツが充実してきたから、と見ています。フォトグラメトリーや3Dスキャンを用いて現実世界にあるものをVR内も持っていくデジタルツインコンテンツはVRツーリズムの可能性を大きく広げるものですし、YouTubeを見ても良質な180度/360度動画が増えてきました。VRChatやNeosVR、clusterなどのメタバースと呼ばれるVR SNSを見ても、美しいワールドばかりです。自宅にいながらして全周囲コンテンツを見て楽しむ目的であっても、VRヘッドセットはお勧めできるデバイスです。

photo オースティンの街を近未来的解釈で模したSXSW 2022のVRChat会場。筆者撮影

 2022年3月11日から20日まで、そんなVRコンテンツが集い、自由に閲覧できるイベントが開催されました。それがSXSW 2022です。South by Southwest(SXSW)は、米テキサス州オースティンで開催される映画祭&音楽&インタラクティブ作品フェスで、映画や音楽ライブが楽しめるほかにカンファレンスも多く、さまざまなコンテンツ製作に取り組むアーティストやデザイナー、監督に役者、プロデューサーの声も知ることができるイベントです。

photo VRChatとは別に、Unreal Engineで開発されたVRプラットフォームVastを用いた会場も用意された。筆者撮影

 今年は久しぶりの現地開催とともに、昨年に引き続き世界中からアクセスできるVR会場も用意されました。世界中のクリエイターが作ったVRコンテンツが一同に集まる場所であり、VRコンテンツのNOWを確認するのにベストな環境といえます。筆者が見てきた作品のなかから、興味深いと感じたものをいくつか紹介しましょう。

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