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なぜ今「マーケティングオートメーション」が必要なのか?SaaS導入「キホンのキ」(2/2 ページ)

» 2022年04月04日 12時00分 公開
[ITmedia]
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MAツールを導入するメリットとデメリット

 MAの導入・活用により、営業活動の最適化や小規模でも効果を生むマーケティング戦略が可能となります。MAのメリットや効果を最大限に引き出すためには、オペレーションや明確な目的を基にした設計を行うことが大変重要になります。

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MAを導入するメリット

  • 見込み客の状況に合わせた訴求ができる

 MAでは見込み客の行動履歴を基に、自動で状況に応じたアプローチができます。シナリオ設定をして見込み客の状況に合わせた訴求をすることで、属人的な手間を省くことが可能です。

 全ての問い合わせ客やメルマガ購読者が必ずしも自社製品に興味をもっているとは限りません。見込み客は毎日膨大な量の情報を受け取っているため、適切なタイミングで適切な情報を届ける必要性があります。しかし、マーケターや営業が個別に状況を把握し、その状況に合ったアプローチをし、コミュニケーションを取るのは困難です。

 見込み客のケアを人的作業で行うことには限界がありますが、放置すれば他社の顧客となる可能性もあります。MAを導入・活用すると、見込み客の情報を一元化してメール配信やコンテンツ提供などから連絡をとり続けることができます。このような方法により、見込み客の流出を防ぐことができます。

 MAで見込み客の行動変容が把握できれば、製品・サービスに興味があることや、どういった情報を求めているのかまでが分かります。見込み客の状況に合わせた訴求により、取りこぼしのないようにアプローチするためにも、MAはとても有効な手段だといえます。

  • 属人化しない営業組織をつくれる

 アウトバウンドが前提だった時代の営業は、属人的な側面がとても強かったといえます。営業の受注率の高さは、各々の性格や能力、経験によって左右されていました。しかし、欲しい情報や商品がオンラインで簡単に購入できる現代では、営業が直接売り込むアウトバウンドの機会が減少しています。MAはオンラインで接点のある見込み客に持続的コミュニケーションをとることができるため、インバウンドでスムーズなコミュニケーションを具現化できます。

 MAを導入してマーケティング部隊が見込み客のフィルタリング(選別)とナーチャリング(育成)を終えたところで営業部に見込み客をパスすれば、営業の能力に依存せずに営業組織全体の生産性を上げることができます。

 また、MAでは経験や勘に頼らずに客観的な判断軸でアプローチをすることができます。“オートメーション”の名の通り“自動化”を推進することで、情報共有が容易になり、属人化した営業活動に頼ることなく効率的なアプローチが可能になります。

  • 営業とマーケティングで連携しやすくなる

 営業は顕在化した確度が高い見込み客へのアプローチに注力しがちなので、潜在ニーズ層へのアプローチはどうしても後回しになってしまいます。しかし、それでは潜在的な顧客を逃してしまうリスクもあります。

 MAを導入するとマーケティング施策の履歴やWebサイトの閲覧状況などがまとまって管理されるため、マーケティングと営業の間で、状況の共有がよりスムーズにできるようになります。

 見込み客の検討段階が分からないと、的外れなタイミングや内容でアプローチをしてしまう可能性が高いですが、MAを使って見込み客の行動ログに合わせた情報を提供することで、“かゆいところに手が届く”アプローチが可能になります。つまり、マーケティングと営業が連携することで、ニーズが顕在化していない見込み客へのアプローチも放置せずに効率よく行うことができるようになるのです。

  • 見込み客のデータを一元管理できる

 多くの施策を実施し、管理する情報が増えると、見込み客の情報の管理がバラバラになりがちです。MAを使うことで、見込み客のデータを一元管理することができます。MAにはデータ分析機能があり、見込み客ごとに、資料のダウンロード履歴やセミナーの参加状況、Webサイトの閲覧状況などのデータから戦略の効果を測定することもできます。受注確度の高い見込み客を抽出することで、より生産的なアプローチも可能となります。

MAツールを導入するデメリット

  • 効果反映まである程度の時間が必要

 MA導入後は繰り返しPDCAを実行し、戦略を練り続けることが必要となります。またMAを活用するにはコンテンツの制作費やメール配信のための設計により出費が増える可能性があります。そのため、短期的な視野に捉われることなく、時間をかけて効果を上げていくことが重要です。


 本記事はITreviewに掲載された「MA(マーケティングオートメーション)とは?おすすめMAツール7選まで完全網羅」の一部抜粋版です。元記事ではMAツールの主な機能や選び方、おすすめツールなどを紹介しています。記事全文はこちら

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