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79gの“掛けて使う”ディスプレイ 「Nreal Air」はPCの外部モニター代わりになり得るか?(4/5 ページ)

» 2022年04月21日 11時30分 公開
[山川晶之ITmedia]

一方で、気になった点は?

 冒頭で、ガジェット感が薄いデザインといったものの、実際にかけてみるとなかなか外で使うには勇気がいる。そもそもサングラスをかける習慣がないし、夏でもないのでかけている人を見かけない。これに加えて、Nreal Airからはケーブルが生えている。

傍から見ると、何もない空間をずっと見ながら黙々とキーボードを打ち込んでいるグラサンのおじさんにしか見えない

 Nreal Airは完全にモニターのため、プロセッサや給電は接続先のデバイスに委ねている。つまりケーブルは必須。意外とアウターが必要なシーズンであれば、首元に少しケーブルがはみ出るぐらいでうまく隠せるが、Tシャツ1枚の夏場だと、隠したければ服の中にケーブルを流すしかない。まぁ見てくれを気にしないのであれば、ケーブルを外に出したままでも問題ないだろう。

 その他、気になる点はいくつかある。まず、顔の動きにディスプレイが追随することに違和感を持った。普通のモニターなら首を傾けたところで微動だにしないが、Nreal Airは顔に装着してるので、当たり前だが画面も一緒に傾く。

 次に、構造上、画面が視界の上半分に表示されるため、画面を見ようとすると目線が上を向く。普段ディスプレイは目線を下げて見る事が多いので、長時間使うと目が乾いて疲れやすい印象を持った。どちらも使ううちに慣れてきてあまり気にならなくなったが、人によって感じ方は異なると思う。

 サングラス部分にもある。採用している偏光ガラスの影響か、ノートPCの画面が波打ったように見える箇所があった他、先程のiPad Proの写真でお気付きになった方もいるだろうが、カラフルな模様が出現するケースがあった。おそらく貼っている保護フィルムが影響している可能性が高く、何も貼っていないディスプレイではこうした見え方はしなかった。

ペーパーライクフィルムを貼っているiPad Proの画面をサングラス部分でのぞいたところ。この他、TPUフィルムやガラスフィルムを貼っているスマホでも似た現象に遭遇した。一方で、何もフィルムを貼っていないディスプレイではこうした色変化は起きなかった

 意外と盲点だったのが暗いところで使用する場合だ。映像を投影している部分が外から見えてしまうため、目が光ってる怪しい人物が出来上がる。凝視すれば映している映像もうっすら分かるため、暗い場所かつ対面に人がいるようなシーンでは、変なものは見ないようにするか、周囲は全く見えなくなってしまうが、付属しているシールドを付けることをおすすめする。

「夜見え」を防ぐためのシールドが付属する

 入手方法にも注意したい。Nreal Airは、国内だとドコモとKDDIが取り扱っており、ショップや量販店などでも見かけることがある。一方で、オンラインだと両社のECストアでの購入になるため、それぞれのアカウントが必要だったりと、他キャリアのユーザーは買いづらい。ぜひ、Amazonや楽天など他のショップでも購入できるよう、販路拡大を期待したいところだ。

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