ここ数年で「スマートグラス」の波がじわじわと来ている気がする。一般的には、メガネに何かしらの電子的機能を載せたものを指すと思うが、種類はさまざま。カメラ機能に特化したもの、オーディオ機能を載せたもの、ディスプレイを載せたものと何かの機能に特化している。カメラならSnapの「Spectacles」、オーディオならBOSEの「BOSE Frames」やAmazonの「Echo Frames」、最近はAnkerも同様の商品を発表した。
その中でも一番未来を感じるのは、個人的にはディスプレイを搭載したもの。メガネをかけるだけで目の前に大画面。誰にものぞき込まれる心配がないので、屋外でも気兼ねなくコンテンツを楽しめる。これまでは国内だとエプソンのMOVERIOなどが代表的だったが、そこに新星がやってきた。中国Nrealの「Nreal Air」だ。
そのNreal Air、リリースを読んだ際に気になる記述があった。別売のドングルを使えば、iPhoneやPCの画面を映し出せるというではないか。Nreal AirのパネルスペックはフルHDのOLED。モニターとして使えるなら十分に日々のPC作業用途に使える。重さは79gなので、うまく行けばどこでもフルHD画面を召喚できると脳内で妄想が駆け巡った。
そこで、Airを借りて実際に試してみることにした。あいにく、ドングルは貸し出し用の在庫がなかったが、同製品を取り扱うKDDIから「ドングルがなくても使えるかもしれない」との話もあったため、本体のみでのレビューを敢行した。
すでに類似商品があるのになぜNreal Airを取り上げるのか。それは、大きくデザインにある。MOVERIOはフューチャリスティックな見た目をしているが、Nreal Airは一見ただの癖が強いサングラスである。ちょっとうさんくさい気もするが、「こういうデザインあるよね」と思わせる普遍性がある。ガジェット感がまったくないわけではないが、薄い部類には入るだろう。
次に価格だ。MOVERIOは自社製OLEDパネルの採用など意欲的だが、同じフルHDで6万円を超える。一方、Nreal Airは4万円を切る。Nrealの上位機種みたく6DoF用のステレオカメラは内蔵しないが、おかげでガジェット感の薄い外観を実現している。とはいえ、3DoFに対応しており、専用アプリ「Nebula」を使えばARなインタフェースでコンテンツを楽しめる。
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