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79gの“掛けて使う”ディスプレイ 「Nreal Air」はPCの外部モニター代わりになり得るか?(1/5 ページ)

» 2022年04月21日 11時30分 公開
[山川晶之ITmedia]

 ここ数年で「スマートグラス」の波がじわじわと来ている気がする。一般的には、メガネに何かしらの電子的機能を載せたものを指すと思うが、種類はさまざま。カメラ機能に特化したもの、オーディオ機能を載せたもの、ディスプレイを載せたものと何かの機能に特化している。カメラならSnapの「Spectacles」、オーディオならBOSEの「BOSE Frames」やAmazonの「Echo Frames」、最近はAnkerも同様の商品を発表した。

 その中でも一番未来を感じるのは、個人的にはディスプレイを搭載したもの。メガネをかけるだけで目の前に大画面。誰にものぞき込まれる心配がないので、屋外でも気兼ねなくコンテンツを楽しめる。これまでは国内だとエプソンのMOVERIOなどが代表的だったが、そこに新星がやってきた。中国Nrealの「Nreal Air」だ。

「Nreal Air」を掛けた筆者。マスクを付けているのもあってなかなかの不審者スタイル
「MOVERIO」の現行モデル「BT-40」

 そのNreal Air、リリースを読んだ際に気になる記述があった。別売のドングルを使えば、iPhoneやPCの画面を映し出せるというではないか。Nreal AirのパネルスペックはフルHDのOLED。モニターとして使えるなら十分に日々のPC作業用途に使える。重さは79gなので、うまく行けばどこでもフルHD画面を召喚できると脳内で妄想が駆け巡った。

 そこで、Airを借りて実際に試してみることにした。あいにく、ドングルは貸し出し用の在庫がなかったが、同製品を取り扱うKDDIから「ドングルがなくても使えるかもしれない」との話もあったため、本体のみでのレビューを敢行した。

「こういうデザインあるよね」

 すでに類似商品があるのになぜNreal Airを取り上げるのか。それは、大きくデザインにある。MOVERIOはフューチャリスティックな見た目をしているが、Nreal Airは一見ただの癖が強いサングラスである。ちょっとうさんくさい気もするが、「こういうデザインあるよね」と思わせる普遍性がある。ガジェット感がまったくないわけではないが、薄い部類には入るだろう。

製品自体はちょっとやぼったい太めのサングラスという印象

 次に価格だ。MOVERIOは自社製OLEDパネルの採用など意欲的だが、同じフルHDで6万円を超える。一方、Nreal Airは4万円を切る。Nrealの上位機種みたく6DoF用のステレオカメラは内蔵しないが、おかげでガジェット感の薄い外観を実現している。とはいえ、3DoFに対応しており、専用アプリ「Nebula」を使えばARなインタフェースでコンテンツを楽しめる。

こちらは6DoFに対応した上位モデルの「Nreal Light」。上にカメラが見えるためちょっとガジェット色が強いデザインになっている
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