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動き出したエアコンのサブスク 戸田市は富士通ゼネラルの最上位機種で月額2000円から

» 2022年04月21日 20時09分 公開
[ITmedia]

 高齢者世帯の熱中症対策を主な目的とする環境省のエアコンサブスクリプション事業が動き出した。埼玉県戸田市は4月21日、高齢者世帯と子育て世帯を対象に各60世帯を募集すると発表した。料金は月額2000円(税込)から。

戸田市の募集ページ

 環境省が推進する「サブスクリプションを活用したエアコン普及促進モデル事業」に採択された。特定非営利活動法人の価値創造プラットフォームが事業主体となり、戸田市や富士通ゼネラルと連携して25日から市内に居住するモニターを募る。

 条件は市内に住居があり、エアコンを3年間継続使用できることなど。データ収集やアンケート調査に協力する必要がある。

 貸し出すエアコンは富士通ゼネラル「ノクリア」の最上位モデル「AS-Xシリーズ」。あえて最上位機種を選んだのは「熱中症対策に加え、省エネ性能の高い機種を使ってエネルギー使用の抑制、CO2排出削減も目的としたため」(戸田市役所)という。

「ノクリア AS-Xシリーズ」の14畳モデル。省エネ基準達成率は140%

 部屋の広さに合ったモデルを選ぶため、料金は6畳用の月額2000円から14畳用の3700円まで幅がある。月額3700円の機種を3年間使うと総額は13万円を超えるが、当該機種を購入するよりは安価で、かつ工事費などの初期費用はかからない。

 戸田市役所は「初期費用の高さがネックになり、エアコンの設置や買い替えに踏み切れない世帯がある。効果的な熱中症対策としたい」と話す。初期費用には価値創造プラットフォームを通じて環境省の補助金を充てる。

 環境省によると熱中症による死亡者の約8割が65歳以上の高齢者で、その9割がエアコン未使用だったという。熱中症予防には適切なエアコンの利用が有効だが、設置時の初期費用が高さが課題としている。

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