古いフィルム一眼レフとデジタルを組み合わせてみたい、と誰もが……いや誰もかどうかは知らんけど、カメラ好きなら1度くらいは思うかもしれない。
で、どうするか。一時期カメラの裏ぶたを外して代わりにイメージセンサーを積んだデジタルパックを装着するって製品が開発発表されたりしたが、日本にもっとシンプルで単純でおもしろいアイデアを実現しようとした製品があった。
現在、「Kickstarter」でクラウドファンディング中の「DIGI SWAP」(デジスワップ)である。
この写真のように、カメラの背面にiPhoneを取りつけて撮影するという、なんとも面白いアダプターなのだ。
つまり、フィルムの代わりにiPhoneを使おうというのである。
今回、製品前のバージョンではあるが(まだ改良中ということなのでデザインや画質などは良くなるかと思う)、一足早く借りて使ってみたので、ちょっとその面白さというかおかしさというか「よく思いついたなあ」、いや「思いつくまではできても、よく実現したな」というところをツッこんでみたい。
こういう不思議なガジェットを見ると、まずその仕組みが気になるよね。
iPhoneを背面に装着し、レンズを通った光をiPhoneで撮影するのだな、ってとこは想像できる。
でも、普通に考えても、カメラのレンズを通した光をそのままiPhoneのカメラレンズにつっこんでも写真は撮れない。
じゃあどうするのか。
一眼レフのカメラは「フィルム面」で結像するように設計されている。しかもフィルム面のサイズは決まってる。
そこでフィルムの代わりに用意されたのが「投影幕」。この写真の白いところがそうだ。
これを装着するにはまずカメラの裏ぶたを外す。大抵の昔の一眼レフは裏ぶたを交換できるよう着脱可能になってるはずだ。
今回使ったNikon FEもちゃんとピンをスライドさせるとさくっと外れた。
そしてデジスワップの白い「投影幕」がフィルムの位置に合うように位置決めをしつつ、底面の三脚穴でぎゅっと固定する。
このときフィルムガイドとフィルム面の段差で隙間があると横から光が入ってしまうので、付属する遮光布で隙間をふさぐのがいい(最初、それをさぼって失敗してしまった)。
フィルムガイドの高さはカメラによって違うのでちょっとややこしい。ざっくりセットしたら、実際の画像を見ながら位置決めだ。
バルブにしてシャッター開きっぱなしにして調整するといい。わたしはシャッターをロックできるケーブルレリーズを使って開きっぱなしにした。
そうすると、投影幕にこんなふうに写る。見ての通り逆さだけど、カメラというのはそういうものである。その理由はその辺のカメラの仕組みのサイトを探すと書いてあるはずなので割愛。
なんとなく、デジスワップの仕組みが分かったはず。面白いでしょ。なるほど、この手があったか、って感じ。
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