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古い一眼レフをiPhoneでデジタル化 「デジスワップ」が生み出す写真が味わい深い荻窪圭のデジカメレビュープラス(1/3 ページ)

» 2022年04月28日 16時06分 公開
[荻窪圭ITmedia]

 古いフィルム一眼レフとデジタルを組み合わせてみたい、と誰もが……いや誰もかどうかは知らんけど、カメラ好きなら1度くらいは思うかもしれない。

 で、どうするか。一時期カメラの裏ぶたを外して代わりにイメージセンサーを積んだデジタルパックを装着するって製品が開発発表されたりしたが、日本にもっとシンプルで単純でおもしろいアイデアを実現しようとした製品があった。

 現在、「Kickstarter」でクラウドファンディング中の「DIGI SWAP」(デジスワップ)である。

1978年誕生のNikon FEに何やら謎のユニットが付いてる。これがデジスワップ

 この写真のように、カメラの背面にiPhoneを取りつけて撮影するという、なんとも面白いアダプターなのだ。

Nikon FE+50mm F1.8+DIGI SWAP+iPhone 13 Proという超ユニークな組み合わせ。フィルムカメラとデジタルのスマホが融合する

 つまり、フィルムの代わりにiPhoneを使おうというのである。

デジスワップで写真を撮る仕組みとは

 今回、製品前のバージョンではあるが(まだ改良中ということなのでデザインや画質などは良くなるかと思う)、一足早く借りて使ってみたので、ちょっとその面白さというかおかしさというか「よく思いついたなあ」、いや「思いつくまではできても、よく実現したな」というところをツッこんでみたい。

 こういう不思議なガジェットを見ると、まずその仕組みが気になるよね。

 iPhoneを背面に装着し、レンズを通った光をiPhoneで撮影するのだな、ってとこは想像できる。

 でも、普通に考えても、カメラのレンズを通した光をそのままiPhoneのカメラレンズにつっこんでも写真は撮れない。

 じゃあどうするのか。

 一眼レフのカメラは「フィルム面」で結像するように設計されている。しかもフィルム面のサイズは決まってる。

 そこでフィルムの代わりに用意されたのが「投影幕」。この写真の白いところがそうだ。

デジスワップの本体。この白い幕がフィルムの代わりをする

 これを装着するにはまずカメラの裏ぶたを外す。大抵の昔の一眼レフは裏ぶたを交換できるよう着脱可能になってるはずだ。

 今回使ったNikon FEもちゃんとピンをスライドさせるとさくっと外れた。

裏ぶたのヒンジ部分にある突起をスライドさせると簡単に外れる
裏ぶた外し完了

 そしてデジスワップの白い「投影幕」がフィルムの位置に合うように位置決めをしつつ、底面の三脚穴でぎゅっと固定する。

このように底面の三脚穴を使って固定し、背面のネジを緩めて細かく位置調整を行う

 このときフィルムガイドとフィルム面の段差で隙間があると横から光が入ってしまうので、付属する遮光布で隙間をふさぐのがいい(最初、それをさぼって失敗してしまった)。

 フィルムガイドの高さはカメラによって違うのでちょっとややこしい。ざっくりセットしたら、実際の画像を見ながら位置決めだ。

 バルブにしてシャッター開きっぱなしにして調整するといい。わたしはシャッターをロックできるケーブルレリーズを使って開きっぱなしにした。

 そうすると、投影幕にこんなふうに写る。見ての通り逆さだけど、カメラというのはそういうものである。その理由はその辺のカメラの仕組みのサイトを探すと書いてあるはずなので割愛。

レンズを通った光が投影幕に映り、それを反対側から見るわけである。これをiPhoneで撮るのだ

 なんとなく、デジスワップの仕組みが分かったはず。面白いでしょ。なるほど、この手があったか、って感じ。

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