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机の上を美術館にしてしまうデスクライト「SALIOT pico」が演出する自然光の意外な効用分かりにくいけれど面白いモノたち(1/5 ページ)

» 2022年05月06日 16時45分 公開
[納富廉邦ITmedia]

 2021年春の発売以来1年少し、デスクライトとして愛用しているのが、ミネベアミツミの「SALIOT pico」(サリオピコ)という製品。スポットライトのような見た目のデスクライトとしては珍しいデザインの製品だが、それもそのはずというか、このライト、もともとは美術館や博物館で展示品を照らすための照明として開発された。それを、ほぼそのまま家庭で使えるようにしたものなのだ。

photo ミネベアミツミ「SALIOT pico STAND-L 3W3灯」3万4800円(税込)。土台のサイズは85mm×85mm、高さ378mm、重さ820g。他に、2灯タイプ、1灯タイプ、ややスタンドが短いSTAND-M(245mm)、コンパクトなSTAND-S(160mm)もある。購入サイトはこちら

 その最大の特徴は、高い演色性。自然光と比較して、どの程度自然光に近い色に見えるかを示す尺度のことで、通常、Ra100を太陽光の下で見るモノの色としたときに、それにどのくらい近いかで、その照明の演色性が示される。一般的な蛍光灯でRa70程度、LEDでも一般的にRa90を超えれば、高演色性LEDと呼ばれ、美術館などでの使用にも適していると言われているのだけど、この「SALIOT pico」で使われているLEDはRa97。

 実際に、京都の京セラ美術館を始め、都内の大きな博物館などでも採用されているミネベアミツミの美術館用照明「SALIOT」シリーズと同じものが使われているのだ。最近では、東京現代美術館で2022年3月19日〜6月19日まで開催されている「生誕100年特撮美術監督 井上泰幸展」にも採用されているので、気になる方は、ラドンが壊した博多の街の再現ミニチュアを見に行くついでに照明もチェックして欲しい。余談だが、あのラドンが壊した街は、筆者が、ちょうどラドンが壊したあたりに住んでいた子供の頃、テレビで放映されているのを見て、大泣きしたという逸話があるほどのリアルさなのだ。

photo ミネベアミツミの照明「SALIOT」シリーズは、この写真の京セラ美術館など、多くの美術館、博物館で採用。角度や照射幅までアプリで操作可能なので、設置後に微調整が可能で、設営が簡単なのも特徴

 その高い演色性を持つ照明を、家庭用にも使えないのかと考えたミネベアミツミのスタッフは、当初は、美術館に設置するようなレールごと、家庭に持ち込もうと考えていたという。ただ、その場合、工事が必要だし、自社のECサイト計画が進んでいたこともあって、家庭で導入しやすい形での製品化へと切り替えたのだそうだ。

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