Model 3には、Spotifyクライアントが標準でインストールされています。Spotifyの各種プレミアム系アカウントを保持していれば、膨大なカタログの中から存分に音楽を楽しむことができます。残念ですが無料アカウントではログインできません。
ただ、Spotifyのプレミアムユーザーであれば、スマホにSpotifyアプリをインストールしていると思います。少しでもよい音で聴きたければ、スマホをModel 3にBluetooth接続してスマホのSpotifyアプリで再生することを強くお勧めします。
理由は、TeslaのSpotifyクライアントで再生するより音質面で優れているからです。Spotifyクライアントの場合、ストリーミングが低ビットレートに制限されています。その一方で、スマホからのBluetooth接続再生であれば、ビットレートは256Kbpsを実現しています。ロッシー(圧縮)音源の場合、ビットレートが多い方が間引かれる情報量が少なく音質はよくなります。
スマホのSpotifyアプリは「最高音質」設定でAAC/320Kbpsの再生が可能ですが、Bluetooth側の制約もありビットレートは256Kbpsが上限になるようです。
低ビットレートによる音質悪化は、周波数解析の画像で可視化可能です。「はやて@すかすか」さんがSpotifyクライアントの再生に関連した周波数解析の結果をツイートしています。再生周波数が17kHz付近でスパッと落ち込んでいることがわかります。その一方で、スマホアプリからの再生では、20KHz近くまで波形が立ち上がっています。
筆者も、「はやて@すかすか」さんと同じ環境(iPhoneの「Sonic Tools SVM」という解析アプリ)で計測したところ、ほぼ同様の結果を得ることができたので、Spotifyクライアントでの再生は、低いビットレートで配信されていることは間違いはないでしょう。
また、海外のTeslaユーザーコミュニティーでもビットレートに関する投稿があります。この投稿者はビットレートを「96 kbps」と結論づけています。投稿によると、Model 3に割り当てられたIPアドレスに向けて配信された楽曲のパケットをフルキャプチャし、曲長やデータ総量から計算したとあります。
実際、双方の違いは耳でも明確にわかります。筆者が録音からマスタリングまで手がけた、ホールのアコースティックな残響を生かしたピアノソロ楽曲で聴き比べてみると、その違いは歴然としています。iPhoneのSpotifyアプリで試聴した後に、TeslaのSpotifyクライアントに切り替えて聴くと、打鍵した瞬間のアタックがなまっており、弦の震えを感じ取ることができません。また、ホール残響から透明感が消え、曲全体を通して曇ったような音像になりヌケ感が後退しています。
Spotify以外の音楽系サブスク、例えばApple MusicやAmazon Prime Musicを利用している人も、スマホをBluetoothで接続すれば、基本的にワイヤレスのイヤフォンを利用した場合と同様の音質で音楽を楽しむことができます。
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