メディアプレイヤーのオーディオ設定画面には、「イマーシブサウンド」という項目があります。「イマーシブ」というのは「没入」という意味です。包み込まれるような音像を堪能できる音響の総称です。
イマーシブサウンドは「Dolby Atmos」や「360 Reality Audio」といった空間オーディオ系のフォーマットが有名ですが、Model 3は、このどちらにも非対応です。これは筆者の推測ですが、Mid/Side処理のような位相を調整するデジタル処理でステレオ音源から擬似的にサラウンド効果を演出しているようです。
ただ、アーティストや制作側の音づくりに対する趣旨や意向を尊重しているためか、上品で控えめな効果で出音が劇的に変化するわけではありません。とはいえ、いろいろな音源で試してみたところ、筆者の場合、イマーシブサウンド効果が最も健著に感じられるのは、オーケストラのストリングスや、残響効果が美しい前述のようなホール録音のアコースティック系の楽曲です。「オフ」と「High」を切り替えながら聴き比べると、奥行きや頭上に空間が広がる感覚を得ることができます。
音源によりイマーシブサウンドの設定を積極的に切り替えながら聴くのもいいですが、筆者の場合、面倒なので、普段は「自動」にして聴いています。「自動」の場合、システム側で音源の音像を判断して最適な設定に切り替えてくれるようです。注意深く観察していると、ほとんどの場合「スタンダード」位置で、ときどき、1つめのメモリ設定になっていたりします。
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