2022年のニコニコ超会議は、久しぶりのリアルでの開催となった。そして、恒例の超歌舞伎も観客を入れての興業、しかも、上演時間も今までで最長の約1時間50分、また出演する歌舞伎俳優も過去最多の、豪華な舞台となった。
演目は『永遠花誉功(とわのはなほまれのいさおし)』、2022年4月29日、30日の13時と16時の計4回行われた。会場は満員、更に2日間の生中継の視聴者数は約59万6000人、今回、過去の超歌舞伎作品を5作品、ネットで配信、その視聴者も合わせると、総来場者数約115万人を記録した。
中村獅童の「ただいまー!」という叫びに沢山のコメントとペンライトが応え、客も出演者も待ちに待った超歌舞伎は、実際、今まで最高のエンターテインメントであり、最高に「歌舞伎」であった。
今回の超歌舞伎のベースとなったのは、近松半二作の義太夫狂言『妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)』。独裁者である蘇我入鹿を倒し、大化の改新への道を作った人々の物語は、期せずして、現状と不思議なリンクを見せ、そこに「わたしは誰かにつくられる物語」という初音ミクの存在を暗示するようなコピーが重なる。
それだけで、面白さは保証されたようなものだが、今回、技術面でも演出面でも、従来の超歌舞伎を超えるアイデアが連発され、これまでの超歌舞伎のお約束をことごとく破る新しい「歌舞伎」が作られていた。その新しさと面白さがどこから来たのか、どのように実現されたのかについて、ニコニコ超会議統括プロデューサーの横澤大輔氏に話をうかがった。
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