富士通は5月30日、理化学研究所(理研)と共同開発したスーパーコンピュータ「富岳」が世界のスーパーコンピュータの性能ランキングにおいて、2部門で5期連続1位になったと発表した。アプリケーション処理速度のランキング「HPCG」とグラフ解析性能のランキング「Graph500」のBFS(幅優先探索)部門で1位となった。
HPCでは、2位の米国の「Summit」が2.93PFLOPS(ペタフロップス)のスコアに対して、富岳は約5.5倍の16.00PFLOPSを達成。富岳のGraph500は10万2955.5GTEPS(ギガテップス)となり、2位である中国の「SunwayTaihuLight」の2万3755.7GTEPSに4倍以上の差をつけた。
一方、21年11月時点では1位であった、AI処理性能を測る「HPL-AI」とLINPACK性能を評価する「TOP500」はともに、米国の「Frontier」が1位となり、富岳は2位に続いた。Frontierとの差は、HPL-AIで約3.4倍、TOP500では約2.5倍の性能差がついた。
理研計算科学研究センターの松岡聡センター長は、「今回の結果は、ベンチマーク初登場から2年経過しても『富岳』が総合的に世界屈指のスーパーコンピュータであり続けている事を示している。今後さらなる高度化と安定運用に努めて、次世代のスーパーコンピュータ開発を見据えた研究を推進していく」とコメントしている。
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