円安や国際情勢の不安定化に伴う物流コスト高騰などにより、さまざまな企業が商品の値上げを発表している。価格変更の波は飲料・食品だけでなく、ハードウェア製品にも押し寄せてきており、5月までにPFUがキーボード「Happy Hacking Keyboard」シリーズを、米Razerがゲーミングデバイスを値上げしている。
6月1日には、さらに多くの企業が商品を値上げする予定だ。本記事では、同日からハードウェアの価格を変更する5社の情報をまとめる。
音響機器メーカーのオーディオテクニカは、ヘッドフォンやマイクロフォンなど計10製品の価格を変更する。いずれも現行価格から10〜31%程度の値上げ。原材料費の高騰や、物流コストの上昇に伴う対応という。
参考記事:オーディオテクニカ、6月から値上げ ヘッドフォンなど計10製品 最大31%
マランツ(Marantz)やデノン(DENON)ブランドのオーディオ製品を開発するディーアンドエムホールディングスは、アンプやCDレシーバーなどの価格を値上げする。電子部品や金属・木材などの原材料費、海上輸送コストの高騰を受けての対応という。
マランツブランドではアンプやCDプレーヤーなど9製品、デノンブランドではCDレシーバー2製品を、それぞれ20%前後値上げする。
参考記事:マランツも値上げ 電子部品の価格上昇などで「限界を超えた」
ゲーミングデバイスの製造販売を手掛けるデンマークSteelSeriesは、マウスやキーボードなど計11製品の日本における販売価格を変更する。いずれも現行価格から330円〜3190円程度の値上げ。原材料費の高騰や円安の影響を受けての対応としている。
参考記事:SteelSeriesがゲーミングデバイスを値上げ マウスやキーボードなど 6月1日から
アイリスオーヤマは、家電など一部製品の価格を6月1日出荷分から変更する。現行価格から10%以上値上げするという。家電だけでなく、ヘルスケア用品やペット用品なども対象。いずれも半導体不足や原材料価格、物流コストの高騰を受けての対応という。
参考記事:アイリスオーヤマ、家電など10%超値上げ ヘルスケア商品やペット用品も
米イヤフォンメーカーのSHOKZは、骨伝導イヤフォン2製品の日本における販売価格を変更する。いずれも現行価格から約5〜14%の値上げ。物流コストや原材料費の高騰を受けての対応という。
値上げは6月1日以降も続く。エプソン販売は7月1日から、業務用プリンタやトナー、プロジェクターなどを計199製品を値上げする予定だ。ハードウェア以外では、メルカリが6月16日に一部サービスの配送料を、王子製紙が7月1日にコピー用紙などを値上げする。
メルカリ、配送料を値上げ 6月16日から 「物価上昇などの社会情勢を鑑みた」
王子製紙、コピー用紙などを15%以上値上げ 「原燃料価格や物流経費が急騰」
円安や半導体不足、不安定な国際情勢などがいつまで続くかは定かでない。ただ、一連の動向が企業のビジネスに大きく影響しているのは間違いない。それぞれの状況がどう変化していくか、今後も一層の注意が必要そうだ。
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