WWDC22開幕前には、さまざまな憶測記事が流れた。このような記事もApple報道経済システムの1つと考えられるが、特に的中したもの以外は、開幕後は無意味な存在となる。従って今回の調査では、6月6日の開幕以降から、本稿執筆時点の6月10日午前中までの間で報じられた記事に絞ることにした。
加えて条件を絞るために日本語限定、WWD22、M2、MacBook Airを含む記事に絞った。上記ワードに引っかからない記事も、著者名などで検索して可能な限り収集した。
ネット報道の仕組みは、若干複雑だ。Yahoo! のように他のメディアからの転載を行なうポータルメディアもあることから、同じ記事が複数箇所に展開されるケースがある。今回こうした記事は極力1本にまとめてカウントした。なおApple公式サイトの発表と、個人ブログで単にストレートニュースを転載したものなどは除外したところ、記事総数は75となった。今もなお、刻々と増え続けているだろう。
記事の分類は、以下のようにしてみた。
75の記事を分類してみたところ、以下のグラフのようになった。凡例の下の数字が割合、グラフ内の数字が実数である。
報道の中心はストレートニュースで、全体の4割を占める。IT・PC専門メディアだけでなく、ゲーム系メディア、Mac専門ブログメディア、経済・ビジネス誌などが、幅広く報じている。ロイターやブルームバーグといった国外メディアの翻訳記事も含まれる。
ストレートニュースは、日本時間の7日深夜から昼までの間には出きっているようだ。多くはキーノートをリアルタイムで視聴したのち、Appleの公式プレスリリースの公開を待って作成されている。
ストレートニュースから少し遅れて、現場レポート記事が公開されている。これは現地で取材した報道関係者が、現場が終了してから執筆を開始するので、どうしてもリアルタイムから少し遅れることになる。
今回意外に数が少ないのは、もともとプレス枠がそれほど多くないことに加え、やはりこのご時世で取材を見送ったメディアも多いということだろう。1人のライターが別メディアに数本の記事を執筆するといった過酷な労働(?)を行なっている例も見られた。iPhone発表時のようなお祭り騒ぎのような様相ではなく、ハンズオンも比較的冷静なトーンで語られたものが目立った。
発表を受けての分析記事も、早いところでは7日のうちから出始めている。テイストとしては、円安による価格上昇とネットの反応調査、M2のアーキテクチャに関する考察、イベントとしてのWWDCの分析などである。
こちらも数が少ないが、分析や解説記事は執筆に時間がかかることを考えれば、週明けから増えていくものと思われる。その一方で、PCアーキテクチャを追える書き手が減少してきたことも指摘しておきたい。今やIT系ジャーナリストの中心は、スマホ・ネット文脈の人達である。PCアーキテクチャが書けるライターは新規参入がほとんどないために年々高齢化しており、素早い対応や量産が難しくなってきている。
こうしたストレートニュースからの一連記事で、全体のおよそ6割を占めている。
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