NTTドコモが「スマートフォンの割引販売時に箱に名前を記入させる」ことを認め、ユーザーの間に波紋が広がっている。同社は「転売目的の購入が多く発生しているのが現状。大変心苦しいが、必要としているお客様向けにこういった運用をしている」と回答しており、6月3日以降、転売対策の一環として実施していることを明かしている。
スマートフォンの転売は、総務省でも議論の対象になった。6月7日に開催した「競争ルールの検証に関するWG」の中で、転売を行う人(転売ヤー)に対し「電気通信の健全な発達という観点、社会的観点から見て望ましいものではない」と指摘しており、転売の横行で、利用者が端末を購入できない、販売員の心理的負担になっているといった問題が発生しているという。
ドコモ以外の携帯キャリア各社も箱への記名を検討・実施しているのだろうか。
KDDIは、ITmedia NEWSの取材に対し「転売に課題があることは認識しているが、今後の対応については現時点では決まっていない。代理店と協議しながら対応を検討したい」と回答。対策として箱に記名させる可能性について確認したが「現時点で決まったことはない」にとどめた。なお、UQ mobileについても基本的にはauと同じスタンスのようだ。
楽天モバイルは「ドコモと同様の取り組みは実施していない」と回答。転売防止策については「検討を進めている。ご案内できるタイミングでお知らせする」としている。同社はオンライン販売の比率も高いが、不正購入への対策として配達員による本人確認を実施。氏名、住所、生年月日、本人確認書類(運転免許証/マイナンバーカード)の情報と一致しない場合、購入はキャンセルされるとのこと。
両社とも転売対策については「検討中」にとどめているが、明確な対策を展開しているのがソフトバンク。箱への記名について「弊社ではやっていない」と回答し、転売対策については「(割引商品は)顧客管理システムで1人あたり1台までの制御をしている」という。
これは、同一人物の複数台購入を防ぐためのもので、別の場所で割り引きされたスマートフォンを購入する場合でも、同一人物と判明すれば購入は不可。1台目とは異なる機種でも割引が適用されている場合はシステム側で弾くという。制限は永久ではないようだが、具体的な適用期間については言及を避けた。一方で、割引を適用しない場合は、ドコモと同じく購入制限を設けていないようだ。
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