6月16日、Windows用のWebブラウザである「Internet Explorer」(IE)が、ついに最後の日を迎えた。幾度も延期されてきた「サポート終了」の日がやってきたのだ。
IEはPCとインターネットの一般化とともに歩んだWebブラウザであり、誰もが一度はお世話になったことがあるだろう。
だが、使う人に愛された存在か、というとそうでもない。その功績と裏腹に、ある種、アンビバレンツな感情とともに存在しているのがIEという存在だ。
ここでは改めて、IEがどんな足跡をたどったWebブラウザなのかを振り返ってみたい。
IEは2022年で27歳。生まれたのは1994年のことだった。
当時のIEは完全にオリジナルのWebブラウザではなかった。今日的なWebブラウザの元祖といえる「NCSA Mosaic」のライセンス版の1つに過ぎなかった。
MicrosoftはWebを中心とした「コンシューマー向けのインターネット」の世界に出遅れていた。そこで、NCSA Mosaicの商用版マスターライセンスを得ていた企業であるSpyglass社と契約を交わし、NCSA Mosaicのソースコードをもとに作られたのが「IEバージョン1」だった。
時間を買うために他社からライセンスを受ける、というのはよくある話であり、古今多数の例がある。IEだって当時はその1つに過ぎなかったわけだ。
だから当時は、本当にちょっと表示を変えた程度でたいした違いがなかった。
1995年、「Windows 95」ブームが起きると同時に、俗にいう「インターネットブーム」が起きる訳だが、この時、OSそのものにはWebブラウザが搭載されていなかった。それではいくらなんでも……というわけで、追加パッケージである「Microsoft Plus! for Windows 95」の目玉として、Webブラウザである「IE 1.0」が搭載されることになったのである。
ちなみに、Microsoft Plus! for Windows 95のもう1つの目玉は「3Dピンボール」だった。個人的には。
実際には、自動実行機能である「システムエージェント」やドライブ圧縮機能である「ドライブスペース」もあったが、ぶっちゃけ、IEとピンボールのためにPlus!を買った人も多かったのではないか、と思っている。
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