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シリコンバレーは今や自動車開発の街 どんなクルマでどんな会社なのか、まとめてみたシリコンバレーから見た風景(1/4 ページ)

» 2022年06月28日 14時56分 公開
[五島正浩ITmedia]

 こんにちは。シリコンバレーというとApple、Google、Metaなどのビッグテックの本社があって、Web、スマホ、SNS、クラウド等の最先端のIT技術が開発されている場所という印象があるかと思います。

 その一方でシリコンバレーでは自動車分野に対してベンチャー投資が盛んに行われてきたことをご存じでしょうか? シリコンバレー発のEVメーカーが出てきたり、スタートアップのセルフドライビングカーが街中でテスト走行していたり。また競争力を高めるためにシリコンバレーに進出して開発拠点を作る新興EVメーカーもあります。

 このような状況を見ていると、そろそろシリコンバレーは「自動車開発の街」と呼んでもいいのではないかと思うようになりました。今回はシリコンバレーで生活していて気になる新興EVメーカーやセルフドライビング関連の会社の動向を紹介したいと思います。

Tesla:誰もが知ってるEVのチャンピオン

 今や世界をリードするTeslaはシリコンバレー発の企業です。2003年にサンカルロスで創業し、その後パロアルトのStandford Research Parkに移りました。フリーモントに工場があり、まさにシリコンバレーで開発から製造まで行っているEVメーカーと言えます。

 長らくここが本社でしたが、2021年末にテキサス州オースティンの新工場「ギガファクトリー」のオープンに合わせて本社も移転したので、今はテキサスの会社となっています。

photo Teslaのパロアルトキャンパス。この辺りは鹿も出没する

Lucid Mortors:スティーブ・ウォズニアックも注目のEV

 Lucid MotorsはTeslaに続いて注目されているシリコンバレー発のEVメーカーです。イーストベイのニューアークに本社を構え、アリゾナ州の工場で生産を行っています。

 2007年にAtievaとして創業後、2016年にLucid Motorsとなりました。現在開発しているのはLucid Airで、特別仕様のDream Editionはなんと航続距離520マイル(837km) を実現しています。

 CEO兼CTOのピーター・ローリンソン氏は、Lucidに入る前はTeslaのVPでModel Sのチーフエンジニアとして働いていました。高級セダンのLucid Airは彼がTeslaで開発していたModel Sの対抗馬として常に比較されています。

 2021年10月から生産が始まっていますが出荷台数はまだ少ないようで、私が目撃したのはたった3回です。フロントの真一文字のライトが特徴的ですぐに気付きました。

photo Lucidの本社。Teslaフリーモント工場から近い場所にある

 またサンノゼのショッピングモールValley Fairには、Lucid Airを体験できるショールームがあります。大型商業施設にショールームを作るのはTeslaの戦略と同じですね。

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