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ミラーレス+ズームとiPadが入る縦型バッグ ライターが考えた「ノートバッグ」はどう仕上がっていったか分かりにくいけれど面白いモノたち(2/5 ページ)

» 2022年06月29日 08時00分 公開
[納富廉邦ITmedia]

縦型でショルダーバッグでトートバッグ

 このバッグの最大の特徴は、縦型でショルダーバッグとトートバッグを合わせたような設計であること、A4ファイルジャストサイズで、ミラーレス一眼にズームレンズを付けたものとiPadが入るのに、見た目はコンパクトであること。

 まとめれば、これだけのものだ。そして、このありそうな仕様のバッグは、実は世の中になかったので作りたかった。世の中にないということは需要がないということかもしれないが、そんなことは気にしなくてよいのが、素人とメーカーのコラボ製品のありがたいところ。

 前に、バリューイノベーションで納富プロデュースのノートケース「Note Me!」を作ってもらった時も、そのうちどこかが出すと思っていたらどこも出さないから作ったのだけど、未だに、いくつかの基本アイデア部分のパクリ製品は出たものの、取って代わる製品は出ていない。そして未だにぽつりぽつりとニッチな層に売れ続けているようだ。

 つまりは、誰でも考えつくんじゃないの? と思って待っていても、自分の仕事なり生活なりにぴったりと合う製品というのは、そうそう出てくるものではないのだ。しかも、ビジネスバッグのジャンルは、ほぼリュックに占められてしまって、ショルダーバッグやトートバッグで冒険はしにくい状況でもあった。

 さすがに、最近、ようやく、リュック以外の面白いバッグも登場してきたので、「リュックばっかりじゃねえ」と思う人も増えてきたのかと心強い。もちろん、リュックも使うけれど、決まった場所まで荷物を運んで、行った先だけで中にあるものを出して使うというリュックのスタイルは、会社に行くわけでもないライター生活では、やや使いにくいのだ。

 何より、歩きながら、電車の中で、カフェの一人座席で、必要なものをサッと出して、サッと片づけられるバッグが欲しかったのだ。

 ところが市販のショルダーバッグはフラップが付いたものが多く、モノの出し入れが面倒くさいうえに、大人が持った時にそれなりに決まるものがない。また、デザインが良いと、マチが狭くカメラが入らなかったり、なぜか微妙にA4ファイルが入らなかったりする。そうでなければ、15インチPCでも入るくらい大きなものだったり。それならリュックの方がいいや、ということになる。

photo このまっすぐの開口部と落としファスナー、その上に装着されたマグネット、畳めるマチが機能の全てとも言える

 私が最初に出した案は、A4ファイルジャストサイズ、縦型の、上方開口部がトートバッグのように開いていて、ファスナーで閉じられるけれど、ファスナーを使わなくてもマグネットで自然に閉じる構造。マチ幅はミラーレス一眼が入る大きさで、前面背面はスムースレザー、側面は柔らかいシボ革でできたショルダーバッグ、というものだった。

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