米航空宇宙局(NASA)は7月12日(現地時間)、巨大宇宙望遠鏡「ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(James Webb Space Telescope、以下「JWST」)」が宇宙で撮影した複数のフルカラー画像を公開した。前日にはジョー・バイデン米大統領が最初の画像を披露した。
NASAが公開したのは、カリーナ星雲の星形成領域のアップやペガサス座にある銀河群「ステファンの五つ子」など、NASA、欧州宇宙機関(ESA)、カナダ宇宙機関(CSA)、宇宙望遠鏡科学研究所(STScI)の代表者の国際委員会によって選ばれたものだ。
カリーナ星雲は、地球から約7600光年離れた、太陽の数倍の大きさの星も含む巨大な星雲。ハッブル宇宙望遠鏡も撮影しているが、JWSTの画像では、これまで見えなかった星形成領域も確認できる。「月明かりに照らされた断崖のように見える」「宇宙の断崖」と呼ばれる風景は、実際は巨大なガス状の空洞という。
ステファンの五つ子は、約2億9000万光年離れたペガサス座にある銀河群。この画像は、1000枚の画像ファイルから構成されており、1億5000万ピクセルを超えるJWSTとしては最大の画像だ。NASAは、この画像は「銀河の相互作用が初期の宇宙で銀河の進化をどのように推進したかについての新たな洞察を提供する」としている。
サザンリング星雲は、約2000光年離れたところにある直径が約0.5光年の惑星状星雲。JWSTにより、中心にある星が塵に覆われていることが初めて明らかになった。
JWSTの情報はNASAのWebサイトの他、米GoogleのGoogle Arts&Cultureにもまとめられている。
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