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小さくて軽くてかわいいキヤノン「EOS R10」が“Kiss”にならなかった理由 AFや連写は本格派荻窪圭のデジカメレビュープラス(3/4 ページ)

» 2022年07月28日 18時23分 公開
[荻窪圭ITmedia]

 ISO感度は最高でISO32000までで、拡張ISO感度でISO51200も指定可能。

 次の夜景作例はF8まで絞ってISO12800で撮ったもの。ISO6400から12800へ移る段階でちょっとノイジーになるものの、ISO25600まではけっこう使えそうだ。ISOオートだとISO6400が上限になるのだけど、もうちょっと上げちゃってもいいかと思う。

夜。街灯の光条をちょっと出したかったのでF8まで絞り、ISO12800で撮影。スロー時の手ブレ補正はあまり強くないので下げすぎない(18-50mm 18mm 1/25秒 F8 ISO12800)

 背面モニターはタッチパネル搭載でバリアングル式。EOSはかなり前からそうだったのだけど、タッチパネルのレスポンスは良いし、メニュー操作などほとんどのシーンでタッチ操作ができるのがいい。

撮影時の画面。四角く囲ってあるアイコンがタッチパネル操作の対象だ
伝統のバリアングル式モニター。バリアングル式ってローアングルで撮りたいときストラップと干渉するのだよね
モニターを開き、腰の辺りにカメラを持ってさっと撮ってみた。軽いのでこんなお散歩スナップにいい(18-50mm 45mm 1/320秒 F6.3 ISO800)
料理作例ということでパスタを。+2/3の補正でちょっと明るめにして撮影(18-50mm 25mm 1/60秒 F5.0 +2/3 ISO1000)

 EOS R10は小さくて軽くて廉価で、一見、Kissシリーズに相応しい感じなのだけど、撮影性能はミドルクラスといっていいレベルなのだった。

薄くて軽い単焦点をつけてスナップ撮影によし

 EOS R10は突出した性能や個性こそないけれども、初めてEOS Rシリーズを、あるいはミラーレス一眼を、という人に最適なカメラなのだと思う。エントリー機や小型軽量機では外されがちなファインダーや電子ダイヤルやAF用スティックもきっちり装備されてるし、AFも連写も常用するのにいい。

 ただ、標準のズームレンズは18-50mmと広角側が弱い。イマドキの標準ズームは35mm換算で24mm相当スタートが標準で、現にEOS Kiss Mの標準ズームは15-45mmと広角側が24mm相当なのだ。

いつものガスタンク。標準ズームレンズの広角端で撮っているので、いつもより少し画角が狭い。レンズが小さくて軽いけど写りは悪くない(18-50mm 18mm 1/400秒 F8 ISO100)

 さらに、実物を触って思ったのは、これ、単焦点レンズを付けてスナップ機として使うとすごく快適なんじゃない? ということ。

 APS-Cサイズ用のRF-Sレンズこそまだ2本だが、キヤノンは昨今、小型軽量で廉価なレンズに力を入れており、EOS R10に似合うレンズもそろってきたのだ。

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