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騒がしい場所でもビデオ会議できる? Google初のノイキャンイヤフォン「Pixel Buds Pro」の実力(2/3 ページ)

» 2022年07月30日 10時00分 公開
[山川晶之ITmedia]

ビデオ会議の“向こう側”にも働くノイズキャンセリング

 ノイズキャンセリングは、装着者だけでなく、画面/音声の“向こう側”にも働く。例えば、急きょ外出先でビデオ会議に参加せざるを得なくなったときに「周囲が騒がしいから発言しないときはマイクをミュートにしてほしい」と言われた人はいるだろうか。そう、筆者がその一人だ。

 筆者は自宅勤務が苦手なたちで、たまに近くの公園で仕事しつつ、そのまま簡単な打ち合わせをビデオ会議ですることがある(もちろん周囲に人がいない場合に限る)。しかし、遠くでワイワイやってるようなグループがいたり、ペット連れのグループがいたりすると、声がかき消されてしまうケースがある。会議なら自分が喋る時以外はミュートにしておけばいいが、フランクな打ち合わせだと発言のたびにいちいちミュートするのはしんどい。

 Pixel Buds Proに搭載されている3つのマイクのうち、2つはノイズキャンセリングに、1つは声をピックアップするための専用マイクとなっている。ビームフォーミング技術に加え、音声加速度計を搭載しており、顎の動きを検知。ユーザーの声をより拾えるようになっている。また、機械学習を使い、周囲のノイズを低減する機能を備える。この機能が外出時のビデオ会議に使えそうだと思い試してみた。

 テストは、Windowsマシンと接続し、ソフト自体にノイズキャンセリング機能を内蔵する「Zoom」ではなく、比較的マイクの音をストレートに出す「oVice」を使用。実施場所はセミの音が激しい公園で実施した。比較対象はPixel Buds。

 Pixel Budsもビームフォーミングマイクに、音声加速度計を内蔵しているため、ある程度クリアに声を拾うものの、話していない時もセミの音がずっと聞こえてくる。一方、Pixel Buds Proは、想定した通り装着者が話していないときは周囲のノイズを大幅に抑えてくれる。もちろん話しているときは少しノイズが乗っかってしまうが、ミュートする必要がないというのはとても気が楽だ。

 Windowsとの接続、ノイズキャンセリング機能がないビデオ会議ツールでのテストのため、環境ノイズを抑制する機械学習アルゴリズムがイヤフォン側で走っている事が分かる。カスタムチップの威力だろう。この手のイヤフォンは最近のトレンドになりつつあり、5月に発表されたソニーの「LinkBuds S」にも環境ノイズ抑制機能が内蔵されている。上位機種のWF-1000XM4には搭載されていない機能だ。

 マルチポイントにも対応しており、最大2台まで同時接続できる。音が出ている方に自動的に切り替わるため、スマートフォンとPCに同時接続しておくことで、例えばPCで動画を再生中に着信したら、自動的にスマートフォンに切り替わる。

(画像左)「マルチポイント」に対応しており、2台のデバイスに同時接続できる
(画像右)音声の切り替えを有効にすると、状況に応じてイヤフォンが接続先を自動で切り替える

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