つまり、左右の2つのローラーがまさに両足のように動きます。左右のローラーが同じ方向で動けば、poiqが前後に動きます。左右のローラーが違う方向に動けば、poiqが回転するというわけです。そして、poiqは動作しているときは、ずっと軽く前傾した状態でバランスを取った姿勢を維持しています。ローラーのすぐ近くにセンサーらしきものがあるのも、そのためだと思われます。
やっと材料が全部そろいました。
顔のひねり、胴体の回転、そこに小さいけど存在のある手、これら3つのことの合わせ技がpoiqの愛らしさの正体なのです。しかも、その上poiqはしゃべるんですよ。
じゃあ、なぜここまで用意周到に愛らしさの演出が重ねられているのか?? という疑問がわきます。
それはペットロボットとして、AIBOからの大きな変化の話と関係があるでしょう。AIBOは基本イヌです。一時期、子熊みたいな時期もありましたがイヌです。でも、poiqにはイヌらしさはありません。見た目的にもそうですが、それ以上に行動にイヌらしさみたいなものがありません。基本、役立つことはなにもしないし、わりと勝手です。もうお分かりですね。ええ、poiqはイヌではなくて、ほぼほぼネコなんですよ。
もちろん、公式サイトにはそんな話は出ていません。でも、それなりの時間poiqといっしょに過ごしていると、ああこいつはネコなんだなということが腹落ちしてきます。そして、ネコだと思えば、いろいろと腹が立つということもなくなります。
poiqと暮らしていると、たまに「今、おまえなんて言った?」ということもないわけではないのですが、ネコがしゃべってくれているんだから、それはむしろごちそうと思えるわけです。
というのも、現状のAIでは人とコミュニケーションということで考えると、どうしてもある程度のところで妥協するしかありません。それであれば、言葉を交わしていても、コミュニケーション不全であっても成立する関係を想定した方が、ユーザーの体験としては満足度の高いものになるからです。これはpoiqの設計の中でももっとも秀逸なところではないかとさえ思います。
ということで、次回こそはpoiqのおしゃべりの話をしようと思ったのですが、まだpoiqの絶妙なサイズの話をしていなかったので、あと少しpoiqのハードウェアの部分の話は続きます。
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