制作はほぼAdobe Creative Cloudで行うというカズシフジイ。仕事の幅を広べるべく、アドビによるクリエイター向けSNS「Behance」などを使って作品を宣伝してみたところ自身の活動が伝わり、それがきっかけで海外も含め仕事の発注を受けることが増えたという(ただし、英語が苦手なので海外の仕事はほとんど受けなかったそうだ)。
こうして制作依頼は増えたが、この方法では自主制作したものとは別に新たに制作を行わなければならない。しかし、やがてSNSなどを通して「NFTを使えば作品を直接売ることが可能」と耳にし、急にNFTに興味を持ったという。
「最初はやり方が難しくて一度断念しました。でも、やがて、NFTでの作品の売買をする知り合いが増えてきたので、知り合いにやり方を聞きながら始めてみました」
そんなカズシフジイがNFTで最初に販売をしたのは得意なコラージュ作品。販売するや、いつもSNSで見てくれていた方々が中心に作品を買ってくれたという。
ただしコラージュ作品は、今話題となっているNFTの売れ筋の作品とは少し傾向が異なる。NFTでの作品販売の勘所を掴んだカズシフジイは、続いてNFTでどんな作品が人気なのかを分析、それに合わせた作品づくりを始め、現在ではイラスト作品やアニメーション作品の販売に力を入れているという。
イラスト作品の制作はIllustrator、アニメーション作品は簡単なものなら自分でPhotoshopで作るが、それ以外はディレクションとして、After Effectsを使う他の人に制作を依頼しているという。
NFT作品の販売に使っているのはOpenSeaというマーケット。「OpenSeaでは、着せ替えのように色や模様を少しずつ変えた作品をたくさん用意して販売する」ということが盛んに行われており、カズシフジイも最近は、それにならって100種類以上の大量のバリエーションを作って作品を販売しているという。
「100点くらいまでであれば手作業でバリエーションを作っていますが、いずれPhotoshopなどにそうしたバリエーションを自動生成してくれる機能がつくといいかもしれないですね。今はいずれそうなることを期待しつつ、バリエーションが作りやすいような形で作品を作っています」
こうして作られた作品の多くは1〜2万円で販売しているが、中には一度買われた作品を、他のコレクターがさらに高値で購入するといった形でどんどん値段が釣り上がり、最終的に海外の投資家に50〜60万円で買われた作品もあるという。
「有名な人が買ってくれると、それに釣られて他の人も買ってくれるので、いかに有名な人に作品を買ってもらうかが勝負な部分があります」とカズシフジイ。
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