「最大2倍の雑音を消すノイズキャンセリング」の2倍の尺度は分からないが、にぎやかな発表会会場で短時間試聴しただけでも、明らかにノイズキャンセリング能力が高まっていると感じた。
AirPods Proはカナル型でありながら、「外部と内部の圧力を均一にするための通気システム」を持っている。そして、外にも内向きにもマイクを持ち、それぞれの音を聞きながら、外から入ってくる音の逆位相波を出して音を打ち消したり、外部で聞こえている音を耳の中で再現したりしている。また、耳の中の形状もひとりひとり違うので、内向きのマイクで耳の内部に反響してる音を聞き、フィードバックを得て、発生する音を調整している。
特に、外部の音を耳の中で再現する外部音取り込みモードの時は、外部で感じられる音を、まるでイヤフォンを付けていないかのように耳の中で現する。しかも、85db以上の騒音は再現しないので、サイレンや電動工具などの不愉快な音を減らすことができる。この「環境適応音除去」機能はH2チップにより実現しており、毎秒4万8000回のフィードバックを行って騒音を低減している。
メインドライバーは11mmで、サイズは従来と同じだが、新たに設計されたもの。こちらもH2チップと連携してオーディオ再生中の歪みを減少させている。
空間オーディオの再現にもH2の演算速度の速さは生きている。
また、ユーザーの頭骨の形状、耳の位置、耳の周囲の形状によって、聞いている音はひとりひとり違う。第2世代AirPods Proの空間オーディオでは、iPhoneを使ったパーソナライズ設定により、個人個人に合わせてサウンドを調整することができる。一度パーソナルプロファイルを作れば、iPhone、iPad、Mac、Apple TVと連携したAirPods Proを使い、より自分自身に最適化された音で、音楽、映画、テレビ番組を楽しむことができる。
H2チップの性能はバッテリーライフにも生きており、従来4.5時間だった音楽再生時のバッテリー持ちが6時間に、ケースを利用しての運用時間も24時間から30時間へと伸びている。
また、非接触充電も、従来から使えるQi規格の充電器だけでなく、iPhone用のMagSafe充電器、Apple Watch用の充電器も使えるようになっている。
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