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“技適なし”の無線機器を日本で利用するには? 総務省の「特例制度」を試してみた(3/3 ページ)

» 2022年09月21日 15時30分 公開
[山口真弘ITmedia]
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続いて機器ごとの「開設届出」を提出

 新規ユーザ登録が完了したら、機器ごとに開設の届け出を提出する。実験の目的と利用規格を記入した上で、利用する機器の名称や個体を識別する番号(つまりシリアルナンバー)、設置場所などを記述していく。

 なおここでは、利用する機器がこの特例制度の対象であることを確認した方法を記述する必要がある。多くの場合、技適に相当する外国の法令、具体的には「CE」や「FCC」をパスしていることを、その根拠として記入することになる。

本人確認が完了したので、あらためてサイトのトップページに戻ってログイン。この時点では当然ながら届出は0件だ。「開設届出」をクリック
実験の目的を入力。ひな形を利用することも可能だ

 これ以外にも、無線の規格や周波数帯域が、定められた範囲内であることも必須条件となる。例えば、海外の無線機器にある5.8GHz帯の無線LANは、たとえ前述の法令に対応していても利用できない点に注意したい。総務省のサイトに詳しいガイドラインが掲載されているので、必ず目を通しておいたほうが良いだろう。

利用する無線規格を選択
無線機器のシリアルナンバー、製造者、型式または名称、設置場所・移動範囲、運用開始年月日、技適基準に適合する事実の確認方法、確認した外国の法令などの情報を入力する
入力内容を確認し、問題なければ送信ボタンをクリックして届出を行う
届出完了。お問い合わせ番号と届出番号が表示される。この時点で利用が可能になっている
ホーム画面に戻ると、届出を行った機器について届出番号、届出日、目的が一覧に表示されているはずだ

手続きは簡単。趣旨をよく理解した上で利用したい

 以上のように、マイナンバーカードでの読み取りがなかなかうまくいかなかったり、また項目をきちんと埋めるために必要な情報を収集しなくてはいけないといった面倒さはあるものの、郵送で書類を提出しなくてはいけない従来の手続きに比べ、すぐに利用可能になるのは大きなメリットといえる。

 気をつけたいのは、期間は180日以内と定められており、同じ利用目的での延長はできないこと。もともと実験用での申請ということで、これは当然だろう。また実験の終了に伴い、廃止届を出さなくてはいけないことも要注意だ。

 これらの届出は個別に審査が行われるわけではないため、インチキをしようと思えばいくらでもできてしまうが、そうした不正行為は絶対に行ってはダメだ。こうした趣旨をよく理解した上で、利用すべき制度といえるだろう。

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