ミドルクラスのオーブンレンジ市場が盛り上がっている理由はいくつか考えられる。1つがフラグシップモデルの高騰だ。
04年にシャープが過熱水蒸気で調理する初代ヘルシオを発売してから、オーブンレンジには過熱水蒸気やスチーム調理機能の搭載が当たり前となり、高機能・高価格化が加速。各社、独自の調理機能を追求した結果、フラッグシップモデルには実勢価格が20万円近いオーブンレンジが増えてしまった。
シャープのウォーターオーブン「ヘルシオ AX-XA30」(実勢価格18万6800円)100度を超える過熱水蒸気でさまざまな調理ができるモデル。IoT機能や自動調理機能なども搭載する高機能オーブンレンジの先駆者的存在。写真は新色のバイブレーションブラウン(著者撮影)しかしこの高価格化の流れに対して、フラッグシップモデルならではのオーブンレンジの機能は使わないといった消費者の声も多い。そこで各社は、フラグシップモデルに搭載する機能のうち、ニーズが高く、他社製品と差別化できる機能を厳選して搭載した5〜8万円台のミドルクラスオーブンレンジに力を入れているというわけだ。
このミドルクラス人気の代表格ともいえるのが、パナソニックが21年9月に発売した「ビストロ NE-UBS5A」。このモデルは一般的なオーブンレンジにありがちな大量の調理メニューの搭載を止めたことで話題となった。
それまでは、搭載する調理メニュー数は多いほど良いとされていたが、実際の利用時にはメニューを探しにくいといった課題があった。この点を、スマートフォンアプリと連携させることで必要なメニューだけを追加できるよう改善。『「フルスペック」より「マイスペック」』をコンセプトに若い世帯に向けて訴求している。
パナソニック「ビストロ NE-UBS5A」(実勢価格6万9800円)。アプリから必要な機能やメニューだけを追加できる点が特徴。グリル皿やスチームポットといった付属品はオプションで、好みに合わせて追加できる仕組み(著者撮影)
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