中国企業は基本的に新しいものに“とりあえず”乗っかろうとする。上場企業の場合は、それが株価上昇の手っ取り早い方法でもあるからだ。フェイスブックによって「メタバース」への関心が沸騰した21年夏以降、さまざまなトライアルが界隈をにぎわした。
ゲーム大手の網易(ネットイース)グループで、21年12月12日に香港証券取引所に上場した音楽プラットフォームの網易雲音楽(ネットイース・クラウド・ミュージック)は、メタバースで上場セレモニーを開催。仮想空間の取引所に、AIで再現した00年起業当時のバーチャル丁磊CEO(29歳)と21年時点の50歳のバーチャル丁磊CEOが並び立ち、本物の取引所にいる丁磊CEOと同時に上場の鐘を鳴らした。
検索ポータルのバイドゥ(百度)は12月27〜29日のAI開発者大会を、バイドゥが構築する仮想都市「希壌」で開催した。
ただ、バイドゥの馬傑副総裁は「プラットフォームとして成立するには最低でも7年は必要」「仮想都市『希壌』は私たちが目標としている世界とはまだ大きな隔たりがある」と、メタバースの産業化に慎重な姿勢を示した。さらに、中国のメガIT企業であるテンセント(騰訊)やバイトダンス(字節跳動)も同様の態度を見せると、VRやゲーム企業がすぐに果実を得るという期待はしぼみ、メタバースブーム「第1幕」は落ち着いた。
そして個人投資家が短期間で利益を得られそうだと目を向けたのが、メディア・コンテンツ業界が生み出すバーチャルヒューマンや、仮想空間上のバーチャル資産、そしてNFTだ。これがメタバースブーム「第2幕」になっている。
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