最初は「俺の仕事を奪うのか」というやや穿(うが)った視線でAI Programmerを捉えていた筆者も、「こいつはけっこう可愛い相棒なのではないか」と思えてきた。
筆者も6歳の頃からプログラミングを始め、BASIC、マシン語、C言語、C++、C#、Java、PHP、JavaScript、そしてPythonと、過去にたくさんのプログラミング言語を覚えてきた。それぞれのプログラミング言語は似て非なるものだが、Pythonにまだ慣れてないときは、「ファイルの読み込みってどうするんだっけ」と毎回検索で調べているのを思い出した。
今もFirestoreのcollectionの呼び出し方法とかは毎回調べながらやっているので、AI Programmerは開発環境の「VisualStudio Code」や「Sublime Text」などと統合されるとうれしい。コメントに「階乗の計算をする関数 」と書くだけでコードが提案されたり、デバッグで悩んでいるときに「コードのこの部分を解説」と指示したら「あ、おれがやりたい処理ができてないじゃん」とデバッグの助けになったりしてくれそうだ。職業プログラマーは、他人が書いたコードをメンテするときに「コードの説明」が役立つだろう。
筆者も普段は「tabnine」という、有料のSublimeTextプラグインを使っている。これもやはりAI由来のコード支援ツールを使っているし、Microsoftは「GitHub Copilot」というツールを出していろいろ物議を醸したり、OpenAI自身も「Codex」というコード作成支援AIを提供している。実はコード作成をAIに支援してもらうというのはすでに一般化しているといえる。
でも、その中でAI Programmerは「日本語」ということに大きな強みを持っている。さらに「コードの内容を解説」させることで、デバッグやコードの引き継ぎ時などのコード理解に役立つという副作用もある。
実は、筆者の漫画家の友人たちも、口では「AIが俺の仕事を奪っていく」と言いながら、背景や下書きなど、既に仕事の一部をAIにやらせることができないか検討している人も少なくない。このようにして、AIと人間は一緒に働くようになっていくのだろう。
AI Programmerから我々が学べる教訓として、「面白いからなにかやってみよう」と思いついてわずか2時間でサービスインする気軽さ、AIそのもののコア機能を作り込むのではなく、AIの使い方をサービスの中心にもってくるという大胆さは、これからAI関連の起業を考えている人たちにとっても勇気を与えてくれる出来事ではないだろうか。
藤田社長としては、このAI Programmerの開発を通じて、自社を知ってもらい、一緒に面白いことをする仲間を集めたいとのことだった。今後AI Programmerがどのように発展していくのか注目していきたい。
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