ここ最近、スマートフォンメーカーとして注目を集めてきているのが米Googleだ。Nexusシリーズから長年スマートフォンを投入している同社だが、OS開発元であることから、どこか一歩引いた印象を持っていた。しかし、Pixelシリーズで様子が変わり、「Pixel 6」「Pixel 6 Pro」は独自チップを投入するなど「最先端のAIを試せるスマホ」として、積極的にプロモーションするようになった。
そのGoogleの新作スマホが「Pixel 7」「Pixel 7 Pro」である。本記事はPixel 7を中心に、Pixel 6から何が変わったのかレビューしてみよう。
まずは外観から見てみよう。Pixel 6と同じくカメラユニットが帯のように盛り上がった背面が特徴だが、雰囲気はだいぶ異なる。6は1枚のガラスがカメラをカバーしていたが、7はカメラ全体をマット調のアルミが覆っている。個人的には「天空の城ラピュタ」に出てくるロボット兵を思い浮かべた。
このアルミカバーは、アルミ製のフレームとつながっており、デザインに一体感を持たせている。Pixel 6は、フレームとカメラユニットにブラックカラーをあしらっていたが、Pixel 7ではアルミの質感をデザインのアクセントに昇華させた。また、背面パネルは2色から1色に統一され、野暮ったさが薄くなっている。
チップは「Google Tensor G2」にアップデート。初代Google Tensorと較べて、ベンチマーク(Geekbench 5)での実測値で1割ほどパフォーマンスが向上している。スペック的には、Qualcommのハイエンドチップ「Snapdragon 8 Gen 1」とミドルクラス「Snapdragon 7 Gen 1」の中間あたりの性能だ。
CPUはミドルハイクラス相当だが、G2が得意とするのがマシンラーニング処理。音声処理周りだけを見ても、新たに話者の識別に対応したボイスレコーダーアプリの文字起こし機能や、周囲の環境ノイズを取り除いてクリアに音声通話できる機能などもG2のパワーで実現している。後述のカメラ処理もG2で強化された。
なお、文字起こしの話者識別は試してみたものの、残念ながら英語含めまだ使えないようだ。議事録作成などで非常に便利と思われるので、早い実装が待たれる。
ディスプレイは、6.3インチのOLEDパネル。Pixel 6から0.1インチ小型化し、より狭額縁になったことでスマートさが増した。輝度はピーク時で1400ニト、6から25%引き上げられている。リフレッシュレートは90Hzで変化はない。
6で不評だった画面内指紋認証は“爆速”とまでは行かないが、スピードアップした。認識精度も上がっている印象だ。また、Pixel 7は新たに前面カメラを使ったAIベースの顔認証にも対応している。こちらも反応が早く、指紋がダメだったとしても素早くロックを解除できる。
サイズは幅73.2mm(Pixel 6から-1.6mm)、高さ155.6mm(同-3mm)、厚さ8.7mm(同-0.2mm)に小型化し、重さも197gと10g軽量化。Pixel 6は厚ぼったくずっしり来る印象だったが、Pixel 7は実際に持ってみると幾分か持ちやすくなった印象だ。
小型化の影響か、バッテリー容量は4614mAhから4355mAhと微減しているものの、バッテリー持ちはPixel 6と同様に感じた。試用期間が短く試せなかったが、スーパーバッテリーセーバー機能を使うと72時間持つという(6は48時間)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR