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Google新作スマホ「Pixel 7」の実力 「Pixel 6」と比べてわかったカメラの進化(3/3 ページ)

» 2022年10月14日 18時00分 公開
[山川晶之ITmedia]
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「Pixel 7」はバランスが良いハイエンドスマホ

 その他、セキュリティの新機能もある。Pixel 7ユーザーは、クラウドストレージ「Google One」の2TBプラン(月額1300円)向けに提供されているVPNを無料で使えるようになる。これは近日提供予定だ。Googleではおなじみになったセキュリティチップ「Titan M2」や5年間のセキュリティアップデートも継続する。

 基本スペックはハイエンドスマホとしては標準的で、8GBのメモリと128GB/256GBのストレージ、急速充電、急速ワイヤレス充電、バッテリーシェア機能などを搭載する。ここはPixel 6と変わらない。

バッテリーシェア機能を使って「Pixel Watch」を充電。しかしバッテリーシェアでの充電は推奨されておらず、1分も経たずに充電が切れてしまう

 なお、急速充電は、Pixel 6だと21Wの入力に対応したが、Pixel 7はなぜか1W減って最大20Wでの充電にとどまる。バッテリー容量が多いため、他のスマホと比べると満充電まで時間がかかる。ここは次期モデルで改善してほしいところだ。

 いろいろ細かいところは気になるが、Pixel 7は長く使える「ベストバランスPixel」と言っても過言ではない。Pixel 6シリーズが登場したときは、Pixel 6が想像以上に大きく重かったため、ほぼ同じ重さで大きなディスプレイを持ち、4倍の望遠ズームを持つPixel 6 Proがベストバランスと感じた。しかし、Pixel 7はよりハンディになり、カメラのズーム画質も改善されたことで使い勝手が良くなった。

実質0円で購入できる?

 Pixel 7は米国で599ドルで販売されている。Pixel 6から変化はないものの、国内価格は7万4800円から8万2500円に値上げされた。Pixel 7 Proも同様に12万4300円と、両モデルとも7700円ずつ高くなっている。Pixel 6発表時から大幅に進行した円安を反映したものとみられる。

 とはいえ、税別にそろえるとPixel 7のレートは1ドル125円で設定されており、今のレートから考えると依然良心的だ。特に、Pixel 7の8万2500円というプライスは、独自設計の最新チップを搭載していると考えると十分安価に設定されている。先述の通り、6から使い勝手が良くなっており、7 Proとの価格差(4万円)を鑑みるとPixel 7のコスパの高さが光る。なお、競合にあたるiPhone 14の128GBモデルは11万9900円。ほぼ7 Proの値段だ。

 もし旧型のPixel端末を持っていれば、下取りに出す選択肢もある。Googleストアでは、旧モデルを最大6万1500円で引き取っており、2019年に登場した「Pixel 4」も状態に問題がなければ6万1500円で下取る。さらにGoogleストアで使える2万1000円のクーポンも付いてくるため、合計すればPixel 7が実質0円になる計算だ。旧Pixelユーザーへのばらまきにも近い。ただ、状態によっては下取り価格が下がるケースも考えられるため、あくまでも購入方法の選択肢の1つとして検討したい。

「Pixel 4」でも6万1500円の下取り価格に

 もし、より安価なスマホを探しているなら、Pixelファミリーの末っ子「Pixel 6a」もある。5万3900円で購入でき、為替レート含めPixel 7よりも価格競争力に優れる。プロセッサの世代も異なり、カメラもPixel 5までに搭載されていた古いタイプだが、初代Google Tensor自体ミドルハイクラスの性能を持っており、普段使いで困ることは無い。ある意味、Pixel 7/7 Proの強力なライバルともいえる。

 Pixelにとって日本市場の存在感は大きく、来日したGoogle経営陣もPixel 6aの売れ行きが好調だとアピールしていた。国内で大きなシェアを持つAppleが円安で苦戦を強いられる中、GoogleはPixelファミリーで日本市場に攻勢をかける。

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