米Googleは10月7日(現地時間)、ハードウェア発表イベント「Made By Google」をニューヨークのリアル店舗近くのイベントスペースで開催し、「Pixel 7/7 Pro」「Pixel Watch」および2023年発売の「Pixel Tablet」を発表した。
本稿では約1時間のイベントで発表されたことをまとめる。なお、Pixel 7シリーズとPixel Watchは日本のGoogleストアで予約受付が開始されている。
それぞれの価格は、以下の通り。
このイベントで発表すると予告していた「Pixel 7」シリーズと「Pixel Watch」以外に発表されたハードウェアは「Pixel Tablet」のみ(これもGoogle I/Oで紹介済み)。同社はこのイベントの前にメッシュルーターの「Nest Wifi Pro」とドアベル「Nest Doorbell(第2世代)」を発表済みだ。
最初に登壇したハードウェア部門トップのリック・オステルロー氏は、「新しいPixelポートフォリオについて説明する。新しいデバイスと、それらがどのように連携して没入的でアンビエントな体験を作り出すかを」と語った。このポートフォリオには、Nest製品も含まれている。
Pixelシリーズは無線イヤフォンのPixel Budsも含め、デバイス同士を近づけるだけでペアリングできる「ファストペアリング」で簡単に連携できる。こうして連携させた端末同士で音楽や動画の視聴端末を切り替えたり、スマートホームを管理したりできる。
また、新SoC「Google Tensor G2」はPixel 7シリーズだけでなく、Pixel Tabletにも搭載されると説明した。
Pixel 7シリーズについて説明したプロダクトマネジメント担当副社長のブライアン・ラコウスキ氏は、「G2は先代より機械学習の速度は60%速く、効率は20%高くなった。また、バッテリー消費も削減した」と語った。これにより、音声アシスタント、音声通話、写真撮影などの機能が向上したという。
Tensor G2でカメラ機能も向上する。ナイトモードがよりクリアになり、「Photo Unblur」という機能で過去に撮影したピンボケの写真を修正でき、動画のボケ(Cinematic Blur)が可能になる。
Pixel 7 Proの背面カメラ構成は5000万画素の広角、1200万画素の超広角、4800万画素の望遠カメラのトリプルでPixel 6 Proと同じ構成だが、広角と望遠の両方の画像をTensor G2の機械学習モデルが合成する「Super Res Zoom」で、シャープなズーム画像を実現できるという。また、「Zoom Stabilization」で15倍以上のズームでも撮影したい対象物を画角の中心に据えることができる。これらの機能で、Pixel史上最大の30倍ズームを実現した(Pixel 6 Proは20倍まで)。
接写機能も向上する。「Macro Focus」で、3cmの接写が可能になる。
Pixel 7シリーズの主な仕様については別記事を参照のこと。
Google初のオリジナルスマートウォッチ「Pixel Watch」の紹介は同社が買収したFitbitのCEO、ジェームズ・パーク氏が担当した。
「Pixel WatchはGoogleとFitbitの最良の機能を提供する初のスマートウォッチであり、Pixelデバイスとパーフェクトに組み合わさる」とパーク氏。
着信通知やGoogle Homeアプリでのスマートホーム管理、YouTube Musicの再生、Google Payでの非接触決済、タイマーなどの機能を紹介した。
WearOSはバージョン3.5を搭載。OSの具体的な紹介はほとんどしなかったが、WearOSアプリのLINEやSpotifyも紹介した。
Pixel Watchは、Fitbit搭載の初のWearOSデバイスになる。搭載された機械学習機能で、Fitbitの中で最も正確な心拍数を計測できるとしている。
他のFitbit端末と同様に、Pixel Watchでも有料サブスクサービス「Fitbit Premium」でより詳しい健康管理データを利用できる。半年間の無料提供も他のFitbit端末と同じだ。
11月にはLTEモデルにApple Watchにもあるような転倒検出機能が追加される見込みだ。
デバイス同士の連携についての説明の中で、Pixel WatchからPixelスマートフォンのカメラでリモート撮影する機能も紹介された。
(別記事)
「Pixel Tablet」はGoogle I/O 2022で2023年に発売と予告済みだが、充電スタンドは今回初披露だ。充電スタンドに載せれば、スマートディスプレイの「Nest Hub Max」のように使えることなどが説明された。
Android 13では大画面対応を重視しており、Pixel Tabletにはそれが生かされているという。
充電はコードを接続したりせずにスタンドに置くだけでマグネットで固定できる。スタンドにはスピーカーが内蔵されている。家族全員が家で手軽に使えるデバイスとして開発したという。
イベントの最後に再登場したオステルロー氏は「GoogleのAI、Android、Tensorプラットフォームで形成するPixelデバイスのポートフォリオが揃った。今後数年間でわれわれが構築する土台になる」と語った。
(別記事)
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