実際にプレイしてみた感想としては「IT業界あるある」が共有できている間柄であれば非常に楽しいゲームだと思った。今回は記者とHENNGE社員3人でプレイしたので、記事冒頭のような死亡フラグを言い合うのが楽しかった。
発生するトラブルにどれもリアリティーがあるのも面白かった。どれもITmedia NEWSで記事にしたら注目を集めそうなインシデントばかりで、パネルをめくるたびに盛り上がった。セキュリティの都合上、外部にいえない情報が多くなりがちな情シス同士でも、パネルの“あるある”をきっかけに会話ができるのも秀逸と感じた。
コンポーネント(小物)も可愛らしくて好印象だった。特に気に入ったのは、体力や体調といったステータスを管理するときに使うパネルだ。全4種類あり、どれもPCをモデルにしている。どのパネルを使うか選ぶときにも「うちの社用PCに似てるからこれで!」とコミュニケーションが発生するのも良かった。
ちなみに記者がプレイしたときは、手番が一巡するたび「今週もよろしくお願いします」といってゲームを始めていた。HENNGEが提供しているようなソリューションのカードを捨てるときは「ちょっと弊社はHENNGEのソリューションを解約(チャーン)します……」と申し訳なさそうにいう局面もあった。
記者のプレイ時は4人中3人が「地震で出勤できなくなる」赤マスに止まってしまい、ゴールまでのパネルが増えすぎて誰も情シスの鑑になれなかった。この場合勝者ナシとなる。ただ、道中で発生したコミュニケーションが面白かったので、何の問題もなく楽しめた。
総じて、わいわい会話して楽しむパーティーゲームで、レクリエーションでの使用に適していると思った。ステータスを通して情シスの苦難を、パネルを通して問題への対処を疑似体験するゲームでもあるので、”情シスあるある”“インシデントあるある”を共有できていればいるほど楽しい。
逆にITの知識が薄い新入社員と一緒に遊んで、専門用語に親しみやすくするとった使い方もできるかもしれない。ただ心理戦や駆け引きをするゲームではないので、ボードゲームに強い戦略性を求める人には向かないと思った。
制作には8カ月かかったという情シスすごろく。HENNGEの安江詠星さん(Customer Success Division Engagement Lead Section)によれば、同社のカスタマーサクセスとマーケターが手を組んで作った作品という。
「もともとはユーザーコミュニティー間のイベントを考えてる中で生まれたもの。情シスの人もあるあるネタでも盛り上がるが、ミーティングだと雰囲気が固い。ゲームなどわいわいできるものがあれば、もっと気軽に楽しんでもらえると思った」(安江さん)
制作にあたっては、より情シスに楽しんでもらえるよう、HENNGEのユーザー企業にヒアリングし、現場の声をゲームに取り入れた。例えば、パネルに書いてあるトラブルは全て、HENNGEやそのユーザー企業が実際に体験したり、注意したりしている“ノンフィクション”という。「エナジードリンク」のカードも、ヒアリング先の世代ごとに栄養ドリンクのイメージが異なったので、複数の絵柄を用意した。
ただ、一般販売はしない方針だ。「HENNGEのユーザーやパートナー、ユーザーコミュニティーの人たちに楽しんでもらうために作ったもの。お金ではなく、そういった方々にプレゼントするので遊んでほしい、という考え方にしている」と板垣慎介さん(Corporate Communication Division Marketing Section Leader)。あくまでユーザーコミュニティー向けの施策の一環として提供するという。
「HENNGEのユーザーに『こうなってほしい』という理想の姿を取り入れた作品。一般販売するのではなく、HENNGEのユーザー同士やユーザー企業の社内、ユーザー企業と他社という間柄で遊んでもらうのが面白いと思っている」(安江さん)
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