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「ボカロはあくまで楽器」 最新「VOCALOID6」にAI採用 人間の再現にこだわりすぎないヤマハの考え(3/3 ページ)

» 2022年10月21日 18時00分 公開
[谷井将人ITmedia]
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「商業音楽の半分にVOCALOIDが使われること」 ヤマハの目標

 「ボカロP」や「ボカロ曲」といった言葉はかなり浸透してきた。かつては「オタク文化」として忌避されることもあった。しかし、ボカロPとしても活躍するミュージシャンはメジャーシーンにも今では普通にいる。NHKの紅白歌合戦では歌い手がボカロ曲を歌うこともあった。

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 ヤマハはこのようにボカロPやボカロ曲が注目を集め取材などもされるようになったことで、イベントにも力を入れてきている。

 22年2月にはVOCALOIDキャラになれるボーカルオーディションを開催した。今後のイベントも企画中という。

 VOCALOIDプロジェクトの立ち上げを担った剣持秀紀さんの著書「ボーカロイド技術論」にはこんな目標が書かれている。

photo 「VOCALOID技術論」(剣持秀紀、藤本健)

 「商業音楽の半分にVOCALOIDが使われること」(86ページ)

 この目標はいまだ達成できているとはいえない。しかし「年代によっては50%を超えている」(吉田さん)可能性も十分ある。

 YouTuber、バーチャルYouTuber、歌い手など若者が触れるインフルエンサーは当たり前のようにボカロ曲を歌う。JOYSOUNDの2021年年代別カラオケ人極ランキングでも、10代20代ではかなりのボカロ曲が上位に食い込んでいる。ボカロ曲じゃないと思ったら作曲者がボカロPだったなんてこともある。

 ヤマハは19年以降、新規のオリジナルVOCALOID音源を発売していなかったが、現在は10件以上の音源を制作中。順次リリースしていく。

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