デジタル庁は10月28日、デジタルインボイスの国内標準仕様のバージョンアップを行い、「Peppol BIS Standard Invoice JP PINT Version 1.0」(Peppol)として公開した。同日、民間団体のデジタルインボイス推進協議会(EIPA)はイベントを開き、請求書にかかわるITベンダー20社あまりがPeppol対応を表明した。
EIPAが検討を進めてきたPeppol対応は、2021年12月にデジタル庁に対して提言を行い、国としての標準化をデジタル庁が担う形になった。標準仕様であるJP PINT Ver1.0が公表されたことで、バトンは再びデジタル庁からEIPAに戻ってきたPeppolは請求書情報をデータでやり取りする仕組み。双方のシステムがPeppolに対応していれば、売り手のシステムから買い手のシステムへと直接やりとりできるようになる。インボイス制度で増加する事務負担に対し、紙からデジタルへ移行することで、負担を軽減できるだけでなく付加価値を付けられるようになることを目指す。
「インボイス制度をきっかけにデジタル化してほしい。デジタルを使うことで業務が楽になるということを実感してほしい。さらに、新たな付加価値も生み出せる」とEIPAの代表幹事である弥生の岡本浩一郎社長は話す。
例えば紙やPDFで送付された請求書をデータ化する場合、OCRや人力を使っても精度には限界があった。ところがPeppolを通じて送られたデータは最初からデジタルなので完全に正確だ。そのため「銀行APIと連携して、SaaSの中からスムーズに振り込みにもつなげていけるようになる」(マネーフォワードの山田一也執行役員)。
各社は2022年末から23年にかけて、Peppol対応を進める。デジタルインボイスがうまく機能するには、送り手と受け手の双方のシステムが対応している必要がある。EIPAの岡本氏はPeppol普及について「目標はないが一定の時間はかかると見ている。インボイス制度が始まる23年10月が、次のマイルストーンだ」と話した。
イベントに登壇しPeppol対応に向けた説明などを行ったベンダーは、弥生、インフォマート、マネーフォワード、TKC、ROBOT PAYMENTの他、下記の15社。
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