マネーフォワードが個人向け家計簿サービス「マネーフォワード ME」の無料版の口座連携数を削減する(記事参照)。これまで10口座まで連携が可能だったが12月7日からは4口座に減少する。
マネーフォワード MEは1370万人が利用する国内最大級の家計簿サービスだ。どんな狙いで上限数を変更するのか。マネーフォワード MEをはじめ、個人向けサービス事業を統括する、マネーフォワード Homeカンパニーの木村友彦執行役員に聞いた。
──無料での連携上限数を、10件から4件に削減する。理由は?
木村氏 ユーザーが本当に増えている。嬉しいことではあるが、それに伴ってデータ量も増加し、保守運用の費用も増加している。APIの連携費用もここ数年で新たに発生し、(クロールが中心だった)創業時とはコスト構造が変わってきている。いろいろな工夫してきているが、それだけでは対応できなかった。そのため無料会員の人にはご迷惑をかけることになった。
一番の狙いは、サステイナブルな状態を作ること。マネーフォワードMEを10年、20年続けていきたいと思っている。
──どのようなコストがかかっているのか。
木村氏 保守や運営のための維持費とAPI連携にかかるコストの2つがある。(各口座からデータを取得する)アグリゲーション基盤は、法人向けサービスと個人向けサービスで共通のシステムだが、個人向けのほうが対象となる金融機関が多い。証券口座やポイント口座など、個人だけで使っているものも多い。
API連携コストは、金融機関によって濃淡がある。もちろん金融機関の皆さまもわざわざお金を掛けて開発したもの。それに対してゼロ円で提供してほしいというのは難しいとは思う。ただし一方で海外を見ると、ローコストなところや無料というところもある。
──なぜ無料で連携できる数を4件にしたのか。
木村氏 社内でもいろいろな議論をして、どこまでなら絞っても無料ユーザーが使い勝手を維持できるかが論点だった。銀行は連携できないとお金の入りが分からない。出るほうは、クレジットカードが1枚は連携できないとダメだ。となると、クレカに関連したポイント、そして資産運用しているなら証券口座。代表的なものを押さえるとなると、最低4件は必要だろうとなった。
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