──無料で集めた会員を有料化するステージに入ったのではないか? という声もある。
木村氏 いわゆるフリーミアムモデル自体は踏襲している。当社のミッションである「お金を前へ。人生をもっと前へ。」の通り、広くお客さまにサービスを提供したいという思いは変わらない。
──1370万ユーザーのうち、有料のプレミアム会員数は39.8万人。率にすると2.9%で、一般にフリーミアムモデルの適正比率といわれる5%に比べると低い。
木村氏 1370万はアクティブユーザー数ではなく、ダウンロード数だ。アクティブユーザー数は開示していないが、それを分母におくと有料ユーザー比率はもっと高い。そもそも、何パーセントだから高い、低いということは意識していない。有料会員比率を高めるという目標を追い求めているわけでもない。プレミアムの機能を増やすことで、結果として有料比率が上がっていくことを目指している。
──マネーフォワード MEで目指していきたい将来像は?
木村氏 お金の課題を解決したいという思いの中で、マネーフォワードMEで見える化を進めてきた。しかし見える化してもお金の問題は解決していない。ユーザーに話を聞いているときに衝撃的だったことがある。
老後2000万円問題があったときに、「マネーフォワード MEを見て自分の今のお金がいくらかは分かったが、老後2000万円に足りるのかどうか分からない、どうしたらいいのかも分からない。だからほかの金融会社のマネーセミナーを見に行った」と言われた。そういうものが求められているのに、何もできていないと感じた。
今後は、そこに道筋を立てていく。ユーザーの課題を解決するソリューションとして金融関連サービスを紹介したり提供したりしていく。そのようにして、ユーザーのお金の問題を解決する中で、そこから収益を上げるのが健全な形だろう。
──今回の制限変更で10年、20年、本当に提供できるようになるのか。
木村氏 したいと思っている。(無料ユーザーへの制約は)毎月のように変更できるようなものではない。未来永劫変えないというものではないが、コロコロ変えるようなものではない。お約束はできないが、気持ちとしてはこのまましっかりやっていきたい。
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