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GPT-3活用で10日で開発 アイデアとスピード勝負の有料AIライティングサービスはどうやって生まれたのか?(1/2 ページ)

» 2022年11月10日 13時03分 公開
[斎藤健二ITmedia]

 7月のサービス開始から会員数約2万人が利用するAIライティングサービスがある。デジタルレシピ(東京都渋谷区)が運営する「Catchy」は、AIが謝罪文から記事作成まで行うライティングサービスだ。

 代表例がキャッチコピーの作成だ。例えば、ITmedia NEWSの説明を入れると、AIが、

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 などのキャッチコピー案を作ってくれる。140種類以上にのぼるサービスの中は「TikTok 動画のアイデア」「王道少年漫画の悪役の設定」「HikakinTVっぽいYouTube企画(β版)」などの軽いものから、「AIDA モデル」「プレスリリースのたたき」「Facebook 広告のタイトル」などの実務の参考になるものまで、多様多様だ。

YouTube 動画のタイトルを提案した例

 今のAI技術を用いれば、こうしたサービスを作るのは簡単だ──と思う人もいるかもしれない。Catchyの面白いところは、米国の人工知能研究団体OpenAIが開発提供している「GPT-3」のAPIを用いて、わずか10日で開発し、提供していることだ。

 「アイデアとスピード勝負」だと伊藤新之介社長は言う。追加学習などのファインチューニングは行っているが、基本的にはAI自体の開発にかかわるつもりはない。アプリケーションレイヤーで、いかにUI/UXを高めるかが勝負という考え方だ。

 10回の文章生成ができる無償プランのほか、月間100回利用できる3000円のプラン、使い放題の9800円のプランなども用意している。すでに数百アカウントが有料プランに移行した。サービスの中では、大量に文章を考えなくてはならない運用広告向けのツールが継続的に利用されている。「実際に実務として使っている人が多数」(伊藤氏)

当初から課金プランも用意。ビジネスにする前提でスタートしている

 GPT-3のAPI使用料は有料だが、利用回数を制限すればそこまで高額というほどではない。有料プランを設けることで、十分にビジネスになっているという。

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