去る11月23日、サッカー日本代表がワールドカップという大舞台で強豪ドイツを打ち破る金星を上げました。試合をライブ配信したABEMAは初めて1日の視聴者数が1000万人を超え、こちらも歴史的な1日となりました。しかし、その裏でちょっとした悲劇が起きていたのです。
ABEMAは今回のFIFAワールドカップ カタール大会で全64試合を無料生配信します。放映権の取得には200億円かけたともいわれていて、ABEMAを運営するサイバーエージェントの力の入れようがうかがえます。
ABEMAは日本戦の解説に元日本代表の本田圭祐さんを招聘しました。その采配はズバリと当たり、歯に衣着せぬ解説が「面白い」と評判に。試合中、Twitterでは「本田さん」「本田の解説」といったワードがトレンド入りしていました。
筆者宅でもテレビを見ながらTwitterをチェックしていた妻に教えられ、Apple TV(第4世代)の電源を入れました。リビングのテレビは画面は大きいけれど、スマート機能など一切ないプラズマテレビ(2006年製)。ネット動画を見る時はApple TVを使っています。
しかしABEMAアプリを立ち上げてもドイツ戦が見当たりません。探しても探しても一向に見つからず、検索しても出てくるのは事前に公開していたプロモーション動画ばかり……。
生配信が見つからない件、嫁に話しました。途端に崩れ落ちる嫁。すまんな、今日は地上波しか映せない……どこかのネットミームのような悲劇でした。
後日、サイバーエージェントに話を聞いたところ、Apple TV向けABEMAアプリは一部ライブ配信コンテンツは視聴できない場合があるそう。権利面の問題でもあるのかと尋ねると、W杯に関してそれはないとの回答でした。
失意のうちに迎えた27日のコスタリカ戦でしたが、テレビをつけようとした時にひらめきました。権利面の問題がないのなら、iPhoneのABEMAアプリからAirPlayで生配信をApple TVに飛ばせるのでは? AirPlayはネットワーク経由で映像や音楽をストリーミング再生する機能です。
iPhoneを操作するとあっさり成功し、日本代表の勇姿が大画面に映し出されました。試合は残念な結果になってしまったけれど、本田圭祐さんの解説は堪能できたし、AirPlayは便利だったのでそれなりに満足でした。
しかし事態は再び急展開。後日ABEMAのヘルプページを確認すると、なんと「Apple TVでW杯の視聴ができるようになりました」という告知を見つけてしまったのです。やっぱり今まで対応していなかったのか、と全力でツッコミたい気持ちを抑えて内容を確認します。
告知によるとアプリ最新版では生配信を含む全コンテンツが見られるとのこと。リリース日は「27日」と書いてあるので、どうやらコスタリカ戦の直前にアップデートがあった模様です。AirPlayは必要ありませんでした。
ちなみにドイツ戦の前日(22日)にはNintendo Switchで全コンテンツが視聴できるアップデートが行われています。ユーザーが多い端末を優先したな、と思う一方で、自宅のプラズマテレビにはSwitchも接続してあったのにそれでABEMAを見るなんて考えもしなかった自分に気づきました。
カタールではドイツとスペインが引き分けたため、日本を含むグループEは全ての国が決勝トーナメント進出の可能性を残す混戦模様となっています。注目のスペイン戦は日本時間の12月2日午前4時から。
スペイン戦では本田さんの解説に加え、ゲストとして元スペイン代表のレジェンド選手で、現在はヴィッセル神戸でプレイしているアンドレス・イニエスタさんが出演することが決まりました。当日はApple TVの前でワクワクしながら試合開始のホイッスルを待つことになりそうです。
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