「LINE PayとPayPay統合」のイメージが強いものの、実際は両社の金融各サービスは併存を目指している。では、4200万人(22年8月時点)が利用する国内でも有数のコードサービスであるLINE Payは何を目指すのか。
「LINEユーザーに、あくまで便利に使ってもらうことを追求していく」と佐野氏は話す。具体的には、LINEアプリを起点とした決済や送金のプラットフォームだという。このたび発表した新クレジットカード「LINEクレカ ポイントプラス」も、LINE Payのこの位置付けを強化するアイテムだ。
一方で、事業の広がりとして見た場合、PayPayとの加盟店統合はLINE Payの方向性を定めたともいえるかもしれない。PayPayは、ビジネスモデルを建物に例え、1階が加盟店からの決済手数料、2階が加盟店へのマーケティング施策の提供、3階が金融サービスだとしている。PayPayの加盟店が利用可能になり、LINE Pay独自の加盟店開拓を行っていない今、LINE Payは2階部分の事業は断念したといってもいい。
これはスーパーアプリを目指すPayPayに対して、LINE Payの立ち位置が異なることにもつながる。キャンペーンやクーポンを連発し、アプリを何度も開かせ、ユーザーとの接触機会の増加を目指すPayPayに対し、LINE Payは黒子のインフラとなることを目指す。
「我々が提供していかなくてはいけないのは、LINE Payを自然にスムーズに使ってもらうこと。支払っているときにサービスが前面に出るのではなく、後ろで支える存在になるべきだ」(佐野氏)
LINE Payの事業としては、自治体や金融機関などに本人確認機能を提供するKYC事業も含まれる。一見地味だが、社会のインフラとして必要なものに力を入れるあたりに、LINE Payが目指す道のヒントがありそうだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR