凸版印刷は12月6日、特定の周波数の電波を限定的に吸収するシート「マルチバンド対応ミリ波吸収体」を開発したと発表した。電波干渉や漏えいを防ぐことで、5G通信などの品質向上を実現できるとしている。
吸収率は波長1〜10mm・周波数30〜300GHzの電波の場合で90%。吸収する電波の周波数は製造段階で複数指定できる。薄型軽量で、表面に木目調や大理石調などの模様も印刷できるため、壁や天井などの装飾にも使える。
5G通信では28GHzや39GHzといった高周波数のミリ波を使うことで、大容量データの高速通信を実現している。一方、ミリ波は電波干渉などが起きやすく、通信品質の低下が問題になる。反射した電波を吸収することで、通信の高速化や低遅延化が期待できる。
今後は、反射板など別形の電波環境改善部材の開発や実証実験を進めるとしている。
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